研究課題/領域番号 |
22K04064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 隆 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (60371283)
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研究分担者 |
大石 祐嗣 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 上席研究員 (10371296)
本間 宏也 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 上席研究員 (40371562)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | レーザー / プラズマ / 分光 / ポリマー / がいし / 劣化診断 / 遠隔計測 / 電力設備 / レーザー誘起ブレークダウン分光 / ポリマーがいし / 非破壊・検査 / 遠隔・非接触計測 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を用い、ポリマーがいしの劣化を非接触かつ非破壊で計測する技術を開発する。レーザー誘起プラズマの励起温度を用いることにより、ポリマーがいしの構成元素の元素比を導出する。これにより、全く未知の計測対象がいしに対して、測定条件に関わらず、正確に構成元素の比を用いることができる。また、多変量解析手法を用いて、スペクトル解析だけで、ポリマーがいしの劣化を定量的に評価する手法を開発する。これらにより、運用中のポリマーがいしの劣化状態をリアルタイムに計測することが可能となる。さらに、可搬型の装置を開発し、現場計測により上記技術の有効性を実証する。
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研究実績の概要 |
レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を用いたがいしの非接触・非破壊劣化診断技術の開発に関して、以下の結果を得た。 (1)可搬型LIBS装置の開発:2022年度に開発した可搬型LIBS装置を改良した。レーザーヘッドと全ての光学素子を300 mm×600 mmのアルミカバー付きのブレッドボード上に搭載した。受光系には小型分光器を用い、これまで用いてきたICCDカメラは使用しなかった。また、測定ターゲット上のプラズマ発光は、レーザーの集光に用いた同じレンズで集光した。この完全同軸な光学系を用いることにより、測定点が移動した時でもレーザー送信系と受光系の光軸ずれがなく、精度良く計測することが可能である。以上により、小型で可搬性に富み、屋外での計測が可能な堅牢性の高いLIBS装置を実現した。 (2)ダブルパルスLIBSによる測定感度の向上:ナノ秒とフェムト秒のレーザーパルスを用いたダブルパルスLIBSにより、Alの発光強度が増強することを示した。フェムト秒パルスを照射した後にナノ秒パルスを照射した場合は、信号強度の増強は観測されなかったが、ナノ秒パルス照射後にフェムト秒パルスを照射した場合は、信号強度の増大が観測された。ナノ秒パルス照射により誘起されるプラズマの寿命は、フェムト秒パルスによるプラズマの寿命に比べて長いため、フェムト秒パルスを照射した時にターゲット上に残存しているナノ秒パルス誘起プラズマにより、Alの発光強度が増強されたと考えられる。本手法は、測定感度の向上に有効であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に実施予定の研究項目の中で、「可搬型装置の開発と現場計測における実証」に関しては、順調な成果を得たが、「CF-LIBSによる成分比の計測の最適化」、「PLS回帰を用いた劣化診断技術の開発」に関しては、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
開発した可搬型LIBS装置の性能を評価すると共に、CF-LIBSやPLS回帰の本技術への適用可能性を評価する。
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