研究課題/領域番号 |
22K04090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
大野 修一 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70273919)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 量子化 / アンテナ / アンテナアレイ / 誤差フィードバック回路 / ノイズ整形 / 2次元アレイアンテナ / Δ∑変調器 / massive MIMO / 協調量子化 |
研究開始時の研究の概要 |
二次元線形アンテナアレイの受信信号のアナログディジタル変換のための効果的な協調量子化器の設計法を考案し、二次元線形アンテナアレイの送信信号のディジタルアナログ変換のための効果的な協調逆量子化器の設計法を導出する。設計したアナログディジタル変換とディジタルアナログ変換の信号対量子化ノイズ比の理論的限界を明らかにすることで、提案法の性能を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、平面上にアンテナが複数配置された二次元線形アンテナアレイにおいて、複数のアンテナが協調し量子化することで、低ビットで十分な性能を発揮する協調量子化法を考案すること、また、その協調量子化を大多数のアンテナを利用するマッシブマイモやセンサアレイに応用し、提案法が既存法より量子化誤差の影響を効果的に低減化できることを示すことである。 2022年度は、二次元線形アンテナアレイの受信信号のアナログディジタル変換に取り組んだ。協調量子化は、 周波数領域などの特徴量空間において情報信号の特徴領域と量子化ノイズの特徴領域をできるだけ分離することで可能になる。そこで、信号量子化ノイズ比を到来角と誤差フィードバック回路の二次元フィルタで表現し、 所望の到来方向に対し信号量子化ノイズ比を最大にするための評価式を導出した。 残念ながら評価式はフィルタ係数に関し非線形となり、そのままでは最適化が困難であることが判明した。そこで、2022年度は設計が簡単な縦軸と横軸に対する一次元フィルタを直積した直積型の二次元フィルタを採用し、縦軸と横軸の一次元フィルタをそれぞれ設計することにした。 直積型の二次元フィルタに限定すると、評価式はフィルタ係数の線形行列不等式で表現でき、 凸最適化問題に帰着できる。凸最適化問題を数値的に解くことで協調量子化のためのフィルタを求め、数値シミュレーションにより設計した協調量子化の性能を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二次元線形アンテナアレイの受信信号の量子化における協調量子化に関し、誤差フィードバック回路を用いた手法を提案している.信号量子化ノイズ比を到来角と誤差フィードバック回路の二次元フィルタで表現し、 所望の到来方向に対し信号量子化ノイズ比を最大にするための評価式を導出している。しかし、評価式はフィルタ係数に関し非線形となり、そのままでは最適化が困難であることが判明した。そこで、一次元フィルタを直積した直積型の二次元フィルタを採用し、縦軸と横軸の一次元フィルタをそれぞれ設計し、その性能を数値シミュレーションにより評価している.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度採用した縦軸と横軸に対する一次元フィルタを直積した直積型の二次元フィルタは設計が比較的容易であるが、係数の自由度が少ないため十分な性能が得られない場合がある。そこで、より一般の二次元フィルタを用いた場合の協調量子化器の設計に取り組む。 所望の到来方向に対し信号量子化ノイズ比を最大にするための評価式は二次元フィルタの係数に関し非線形となることがわかっており、どのように最適化すればより良いフィルタが得られるのか検討する。さらに、設計した協調量子化器を直積型の協調量子化器と数値シミュレーションにより性能比較する。
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