研究課題/領域番号 |
22K04092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
鎌倉 浩嗣 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60344967)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 可視光通信 / 二次元通信路 / イメージセンサ / 離散フーリエ変換 / 物理層セキュリティ / ピーク対平均電力比 / 光直交周波数分割多重 / 並列伝送 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で注目する並列伝送型可視光通信(PT-VLC)システムは,M点離散フーリエ変換(DFT)へ入力するM個の信号の選び方に自由度がある.この設計の自由度は,時間順に等間隔で並ぶM個の信号をM点DFTへの入力としなければならなかった従来のOFDM方式には存在せず,従来のOFDMを用いたVLCとは,このPT方式は決定的に異なる.本研究の概要は,本研究の学術的背景にあるPT-VLCシステムにおいて用いられるDFTに関与するM個の信号の二次元配置の手法を工夫することで,可視光通信(VLC)の機密性(特定の受信者のみに情報取得させ,それ以外の他人には秘密の状態を保持させる性能)を向上させることである.
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研究実績の概要 |
本研究は,複数の光源と複数の受信値が二次元的に構成される空間並列伝送型可視光通信(Parallel transmission visible light communication: PT-VLC)システムに注目し,VLC の機密性を向上させる物理層セキュリティ技術を考案するものである.具体的な研究課題は,PT-VLC システムの送信側で行うM点逆離散フーリエ変換(Inverse discrete Fourier transform: IDFT)と受信側で行われるM点離散フーリエ変換(Fourier transform: DFT)のM個の信号が二次元通信路で伝送されるときにそれら信号の配置に設計自由度があるが,この配置の自由度と,M点DFTにおける順序制約を利用した暗号化の方式を提案した.中心的な課題は,提案する物理層セキュリティ技術の実装と,その機密性(耐傍受性)を数値化する評価方法を検討したことにある.PT-VLC の研究のそもそもの目的は,M個の信号を空間方向に配置するとしても,本質的に,OFDM であるため,ピーク対平均電力比が大きくなってしまう問題に対処することであった.限られた線形範囲(ダイナミックレンジ)で,1フレーム当たりのビット数を増加させようと空間周波数の数Nを増やしていくと,高いピーク対平均振幅比(PAPR)によって,信号が歪んでしまい,各空間周波数のPSK 信号を正しく復調できない問題があった.この非線形問題を解決しつつ,1フレーム当たりに重畳する空間周波数数N を増大させ,受信側で正しく復調できるビット数,結果として,ビットレートを向上させることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに,,VLCの機密性を向上させる物理層セキュリティ技術の具体的構成の検討が進み,おおむね順調に進展している. 研究計画書における2年目の実施計画の通り,PT-VLCにおいて公開鍵暗号方式,すなわち,送信機が送り出すときのM個の信号の配置と受信機で認識するM個の信号の配置を同一としないものにしながら,受信側で実行されるM点DFTへの入力は正しいものとなるような情報秘匿の仕組みを考案していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書における2年目の実施計画の通り,PT-VLCにおいて公開鍵暗号方式,すなわち,送信機が送り出すときのM個の信号の配置と受信機で認識するM個の信号の配置を同一としないものにしながら,受信側で実行されるM点DFTへの入力は正しいものとなるような情報秘匿の仕組みを考案していく予定である.
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