研究課題/領域番号 |
22K04096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
熊本 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30351456)
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研究分担者 |
塚本 勝俊 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (10207342)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Society5.0 / 光ファイバ無線 / マイクロ波ミリ波フォトニクス / サイバーフィジカル / 位置推定 |
研究開始時の研究の概要 |
Society5.0の実現に向けた計画では、サイバーフィジカルシステムの構築により便利で安全・快適な社会を目指しており、ヘテロジニアスワイヤレス環境で様々なIoTシステムがネットワークに同時アクセスするという形態が予想される。本研究では、Society5.0の実現を目指した新たな取り組みとして、多次元の物理層情報を一括して収集し、エッジサーバでの簡易な信号処理により制御信号を生成し、フィジカル空間にフィードバックする物理層制御システムを提案する。これにより、低遅延で周波数や端末の種類に透明性の高い、様々な統合したIoTのコントロールと周波数リソースの運用を物理層レベルで実現することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究内容2)マルチパス電波伝搬に起因するスペクトラムを利用した端末固有IDの生成と端末管理技術ついて研究する計画であった。さらにその応用として、鍵の生成や端末管理・モニタリング手法について研究する予定であった。また、研究初年度に行った実験の結果、端末がリモートアンテナから等距離かつ遠距離にある場合は、信号強度が低く場所による特徴量が少ないため、推定精度に3m程度の誤差が生じる結果となった。これについては次年度以降改善方式を検討する予定であった。 これに対して、2023年度では追加購入したRoFユニットにより、リモートアンテナの台数を最大で6台まで増加させた場合の電波強度ならびにスペクトルの解析による物理層情報の取得を行った。 端末固有のIDを生成し暗号化を行った結果、閾値を適切に設定することで90%以上の精度で端末を特定することができた。一方で、暗号化強度の元となる相関特性についてはデータの解析ならびに改良が充分完了しなかったため2024年度に繰り越して実施する必要がある。 一方、2022年度の課題であった推定精度の誤差については、信号強度とマルチパス特性、さらに周波数スペクトルから得られる遅延プロファイルを併用した新手法による精度向上を試みている。 以上の成果について、複数台の端末の同時位置推定方法と、端末固有IDを用いた端末特定方法を電子情報通信学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
信号のスペクトル形状に基づいた、暗号化強度の元となる相関特性についてはデータの解析ならびに改良を行う時間が不足したため、作業が遅れているが2024年夏までに完了する。 一方、2022年度の課題であった推定精度の誤差については、信号強度とマルチパス特性、さらに周波数スペクトルから得られる遅延プロファイルを併用した新手法による精度向上の試みが解析中である。 これらの精度向上ならびに、そのためのデータ取得のためリモートアンテナを増設することにより必要となるデータが数倍になったため、作業に遅延が生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年6月をめどに端末の推定精度ならびに暗号化の特性改善を提案し、夏までに結論を出す。 その後、遅れている電波のルーティングを秋を目途に実施し、当初計画であった複数の無線信号に対するリソース制御技術を創出する。
これらの成果を夏頃の国内学会、並びに冬頃の国際学会で発表し、得られた成果を論文として紙上発表を目指す。
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