• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

波長無限大による電磁波制御の学理構築と応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K04100
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21020:通信工学関連
研究機関東京農工大学

研究代表者

有馬 卓司  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20361743)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード波長無限大理論 / メタマテリアルに対する電磁界解析技術 / 等価回路モデルの作製 / FDTD法 / 低周波数帯に対する電磁界解析技術 / ラゾーバの開発 / メタマテリアル / 電磁界シミュレーション / 波長無限大
研究開始時の研究の概要

電磁波の制御は1/2波長(半波長)程度の長さの構造を用いて共振させ,放射などを制御するしている.一方,波長λはλ=λ0/√(εrμr)(λ0:自由空間中の波長 εr:比誘電率,μr:比透磁率)の関係より,誘電率および透磁率を0 付近にすると波長は非常に長くなり,言い換えればどこでも同相となり共振と同様の状態になる.この状態を操ることが出来れば,従来とは異なる原理での電磁波制御が可能となる.本研究ではこの状態を波長無限大と名付ける.本研究では,比透磁率μrおよび比誘電率εrが同時に0付近になる構造を波長無限大構造と呼びその構築活用することで,電波の波長無限大状態による制御方法の学理を構築する.

研究実績の概要

3年計画の2年目にあたる,2023年度は電磁界解析を用いたシミュレーションによりいくつかの有効な構造を開発した.下記に研究実績の概要を示す.
・有効なシミュレーション方法の実装を行った.昨年度から引き続き,電磁界解析手法として,時間領域差分法(FDTD法)を用いた.特に後述する,今年度の成果ではコンデンサやコイルなどの電気素子を,構造に組み込むことを検討しているが,これらをシミュレーションできるFDTD法の開発を行った.また,シミュレーションの妥当性および有効性を確認するために,結果を有効に可視化できるプログラムのかいつも行った.
・コイルおよびコンデンサを組み込んだアンテナの開発を行った.これまでは,構造自体を工夫してコイルおよびコンデンサを構成していたが,2023年度は一段進化させて,構造+電気素子という考え方を実装すれば,より効率的に波長無限大を周波数に関係なく実現できると考えた.そして,上述した開発した電気素子を有効に解析できるFDTD法を用いて,構造を開発した.開発には過去の論文を参考にしている.構造は梯子型にコイルとコンデンサを配置している.また,素子を用いると多くの場合では,一つの周波数でのみ動作するので動作帯域は狭くなってします.本研究では,超広帯域で波長無限大を実現させるために素子を組み合わせている.
・コイルおよびコンデンサを組み込んだアンテナの有効性をシミュレーションにより確認した.上述した二つの成果を組み合わせることにより,開発した構造の有効性を確認した.まず,アンテナの動作帯域は現在注目されてる5GHz帯とした.従来の波長無限大理論ではその動作周波数はある周波数周辺でのみ動作するものであった.本研究課題で開発を行っているものはシミュレーション段階であるが,近接する周波数で動作する事で見た目上は通常の構造の倍近い帯域を示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題では波長無限大理論(誘電率透磁率を0付近として,透過的な波長を無限大にすることでどこでも共振を実現する事)の理論構築とその応用を目指している.2022年度および2023年度は応用に向けた理論構築および基本的な構造の開発であったが,両方とも開発に成功した.以上より,現段階では概ね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

2024年度は計画最終年度である.下記3項目について研究を推進する.また研究の総括も行う.
・さらなる広帯域化の実施を行う.現在隣接する2周波で波長無限大を実現しその周波数帯はくっついているために,見かけ上広帯域を実現した.この技術は3周波および4周波とさらに広帯域化が可能と考えるので,さらなる広帯域化を実現する.開発には引き続き開発しているシミュレーション手法を用いる.
・実験を行いその実用性を確かめる.実験を行うには,電波暗室が必要であるが,電波暗室は研究代表者が所属している組織が所有している電波暗室を用いる.この電波暗室は研究代表者が自由に使える環境にある.また,アンテナ作成についてはこれまでも実績があるので比較的スムーズに進むと考える.もしうまくいかない際は,国内でアンテナ分野で最大の電子情報通信学会の研究者と相談を行い,確実に研究を実施する予定である.
・研究総括を行う.本研究で何が解明でき,何に使えるかなど研究総括を行い今後の研究に生かせる知見をまとめる.
また,以上より得られた成果は国内外で積極的に発表する.発表学会は国内では電子情報通信学会,海外では米国IEEEを予定している.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] オンガラスアンテナ放射特性の高速計算手法2024

    • 著者名/発表者名
      徳 翔太郎,宇野 亨,有馬 卓司,加賀谷 修,新井 圭
    • 学会等名
      2024年電子情報通信学会総合大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] FDTD Analysis of Automotive On-Glass Antenna Above Flat Earth2023

    • 著者名/発表者名
      Kouchi Yuki, Osamu Kagaya, Keisuke Arai, Takuji Arima, and ToruUno
    • 学会等名
      The 2023 International Symposium on Antennas and Propagation(ISAP2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Rasorberの入射角度特性について2023

    • 著者名/発表者名
      HYEONSEOK JANG,有馬卓司
    • 学会等名
      2023年電子情報通信学会総合大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] MHz帯WPTシステム用メタマテリアルの小形化2022

    • 著者名/発表者名
      柴田優太朗,有馬卓司
    • 学会等名
      電子情報通信学会 通信ソサイエティ アンテナ伝播研究専門委員会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi