研究課題/領域番号 |
22K04114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
四方 博之 関西大学, システム理工学部, 教授 (00510124)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 無線センサネットワーク / ウェイクアップ無線 / 通信・計算統合処理 / 省電力化 |
研究開始時の研究の概要 |
IoT社会において爆発的に普及するIoT機器からの無線データ収集を限られた無線リソース(周波数・エネルギー)を用いて効率的にサポートする技術が求められている。本研究課題では、通信と集約処理を統合し、真に必要とされるデータ伝送のみに無線リソースを消費するデータ収集技術の研究を行う。所望集約処理に必要となるデータを保有する機器のみを選択的にリモート起動するウェイクアップ制御技術や、起動機器からのデータ集約を無線通信路の加法性を活用して高周波数利用効率で行う通信・計算統合技術に関する検討を行い、無線リソース利用効率の高いデータ収集技術を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、通信と集約処理を統合し、真に必要とされるデータ伝送のみに無線リソース(周波数・エネルギー)を消費するデータ収集技術を確立することを目的としている。本年度は、共通の観測対象を有するセンサ群からの省電力データ収集法および通信・集約統合手法の一つであるAirCompを用いる環境で部分的なノード群からのデータ集約が可能な方式の提案・評価を行った。 共通の観測対象を有するセンサ群からの省電力データ収集に関する検討では、ウェイクアップ受信機のみが起動している待ち受け状態で他のセンサの信号送信を観測し、その情報と既知のセンシング範囲情報および観測対象の位置するエリアに紐づいたフレーム情報から送信済観測対象情報を推定する方式の提案を行った。計算機シミュレーションにより、全てのセンサを起動してデータを収集する方式と比較し、センサのエネルギー消費量を大きく抑制できることを示した。 AirCompに関する検討では、ネットワークを構成するノードのうち一部のノードのみがデータ送信を行う際に、そのデータ集約、特に合計値推定を加法性通信路の特性を活用して行うPartial AirCompの提案を行った。提案方式に関して、シミュレーション評価を行い、提案方式が既存のAirCompと比較し集約精度劣化を抑制できることを示した。さらに、Partial AirCompの一機能である送信ノードセット推定誤差の影響も評価し、離散ベクトル再構成に基づくノードセット推定の有効性を確認した。これらの評価を通し、提案したPartial AirCompを用いることで周波数利用効率・エネルギー使用効率の両観点で効率的なデータ集約を実現できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で目標としているデータ集約とウェイクアップ制御の統合技術の確立に向け、本年度は、センサの観測情報に相関がある状況でのウェイクアップ制御技術を提案し、その有効性を示すことができた。さらに、データ集約に必要な送信ノードセット推定法の検討と、その推定誤差と集約精度の相互作用についても明確にすることができた。これらの検討からデータ集約とウェイクアップ制御の統合に必要な多くの知見を得ることができたため、おおむね順調に研究が進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データ集約とウェイクアップ制御の統合技術の確立に向け、観測すべきデータあるいはシステムの状態が時間的に変動する環境で、そのデータあるいは状態推定の精度向上に寄与するノードのみを選択的に起動するウェイクアップ制御法について検討を行う予定である。これにより、データあるいは状態推定精度を劣化させることなく、センサノードの省電力化を図る。これらの検討を通し、周波数利用効率およびエネルギー利用効率の高いデータ集約・ウェイクアップ制御統合技術の確立を目指す。
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