研究課題/領域番号 |
22K04136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
寺林 賢司 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (20509161)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 蛍光球体マーカ / 画像計測 / ミリピクセル / 幾何 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
モーションキャプチャシステムに代表される画像計測技術は,三次元空間における複数点の位置や姿勢を非接触で同時に計測できる利点を持つ.この三次元画像計測の精度を高めることにより,これまで応用が難しかった精密な機械システムの運動計測など,新たな応用分野の創出を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,モーションキャプチャに代表される三次元画像計測技術の計測精度の向上を目的としている.具体的には,相対精度10^(-6)の計測精度を目指しており,計測範囲1メートルに対して計測精度1マイクロメートルに相当する.これは精密な機械システムの運動計測といった新たな画像計測の応用分野の創出につながるものである.また,この相対精度は,画像範囲1000ピクセルに対して検出精度1ミリピクセルに相当する. ミリピクセル検出の実現のために,新たな画像計測用マーカである「蛍光球体マーカ」を提案した.蛍光球体マーカは,撮影画像中において輪郭部分のコントラストが高く,また形状精度が高いという特徴を持ち,検出エッジに対する幾何フィッティングにより高精度なマーカ位置検出が可能となる.蛍光球体マーカにより従来の再帰性反射マーカよりも約10倍精密なマーカ位置検出を実現した. 高精度な画像計測において「照明変動」は計測精度の低下につながる重要な課題であり,2023年度は,蛍光球体マーカに対する照明方向が変化したときの正確さの改善について検討した.具体的には,蛍光球体マーカ上の輝度プロファイルを入力として照明方向を推定するネットワークモデル,および幾何情報を利用する2種類のマーカ中心検出法の検出結果の差に基づき照明方向を推定し,かたより誤差の補正を行った.その結果,±45°の範囲の照明方向変化に対して,二乗平均平方根誤差9.2ミリピクセルを達成し,約10倍の高精度化に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,蛍光球体マーカの撮影画像を入力し,照明方向を出力とした回帰問題の解決を図った.その結果,蛍光球体マーカの位置検出に対して,幾何と深層学習を融合して活用することにより,従来法よりも約10倍正確なマーカ位置検出を実現した.
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今後の研究の推進方策 |
照明方向の推定精度,蛍光球体マーカの位置検出精度の更なる向上に取り組む.具体的には,前者について,学習データの増加と多様化を,後者について,かたより誤差を補正するモデルの検討を行う.
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