研究課題/領域番号 |
22K04137
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
秋田 純一 金沢大学, 融合科学系, 教授 (10303265)
|
研究分担者 |
小松 孝徳 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (30363716)
戸田 真志 熊本大学, 総合情報統括センター, 教授 (40336417)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 擬似的不規則画素配置 / 有効領域 / 機械学習 / 顔認識処理 / ディスプレイ / 主観評価 / CMOSイメージセンサ / 顔画像の個人認証 / ダウンサンプリング / 画素配置 / 擬似的不規則 / 高精細 / 画像情報量 |
研究開始時の研究の概要 |
画像を取得・表示する画像システムと、そこで行う画像処理は、現代社会のみならず、AI・IoT時代でも必要不可欠かつ有用な技術であるが、画像情報量と計算コストの増加が大きな問題となっており、画像の高精細化と画像情報量の削減の両立は大きな課題である。 本研究では、従来は考慮されてこなかった、画素内で実質的に画像を構成する領域(有効領域)の位置を擬似的に不規則とすることで、画像の高精細化と画像情報量の削減の両立と、回路的な実現性をもつ独自の手法を用いて、画像の高精細化と画像情報量の削減を両立する画像システムと、そこで行う画像処理の実用性・有用性を明らかとする。
|
研究実績の概要 |
設定した研究課題について、以下の研究を遂行し、それぞれの成果を得た。 まず機械学習を用いる顔画像識別処理に対しての擬似的不規則画素手法の適用については、5種類の顔画像識別処理ニューラルネットワークと、2種類の顔画像データセットを用いて、従来の格子状画素配置を用いるダウンサンプリング、および擬似的不規則画素配置を用いるダウンサンプリングの両者について、認識精度の比較を行った。その結果、擬似的不規則画素配置に用いる乱数列による効果の差はあるものの、平均的には顔画像認識処理の精度の向上が確認された。ただし特定のネットワークとデータセットの組み合わせにおいて、擬似的不規則画素配置が有意に認識精度が低下する場合があることも確認された。これの原因が、認識精度の向上のヒントとなると考え、その原因の精査に着手した。 またディスプレイに擬似的不規則画素手法を適用することによる「きれいさ」の向上の効果については、擬似的不規則画素手法を適用する場合に必要となる有効領域(発光領域)の隙間が「きれいさ」、特に「鮮やかさ」を損なう要因となることがこれまでの研究で明らかとなっていた。それに対して、隙間を補完によって補充するアルゴリズムの開発と、主観評価実験によるその効果の検証を行った。その結果、「きれいさ」の低減に効果はあるものの、その効果は十分ではないことが示唆された。またその実験結果から、有効領域を時間的に微小に変位させることで、この隙間を等価的に補完する手法の着想を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
設定している主な2つの研究課題である、顔画像認識処理とディスプレイの主観評価のそれぞれへの擬似的不規則画素配置手法の適用の効果について進捗がある。またその結果から、さらなる性能向上に向けた方策の探索に着手している。
|
今後の研究の推進方策 |
設定している主な2つの研究課題のそれぞれについて、以下の方策で研究を進める。 まず顔画像認識処理への擬似的不規則画素配置手法の適用については、特徴的である擬似的不規則画素配置によって有意に顔画像認識精度が低下するネットワークとデータセットでの考察をもとに、さらなる精度向上へのアルゴリズムの開発、およびそのための画素パラメータの検討を進める。 もう1つのディスプレイの主観評価への擬似的不規則画素配置手法については、「きれいさ」を損なう要因をほぼ特定できたため、それを改善するための隙間補充アルゴリズムを、光の拡散という物理的モデルを基礎として開発し、「きれいさ」の改善の評価を進めるとともに、有効領域が微小に動くことで隙間を等価的に埋める着想を得たことに対して、そのアルゴリズムの開発と評価を進める。
|