研究課題/領域番号 |
22K04138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
橋本 岳 静岡大学, 工学部, 教授 (60228418)
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研究分担者 |
山本 茂広 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (60294261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 3次元計測 / インフラ構造物の健全性評価 / 橋梁のたわみ計測 / 画像計測 / 3次元画像計測 / 橋梁たわみ計測 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が独自に開発した高精度画像計測技術を応用して,橋梁等の振動沈下幅計測の革新的手法を実現することにより,インフラ構造物の健全度評価のための計測が飛躍的に簡便・高機能となる。具体的には,人工マーカーを用いずに,計測距離の延長,さらに橋梁に対する角度の自由度増加も実現する。研究実施においては,提案計測技術を改良の上,計測装置の実機を製作し,現場計測において有効性を確認する。本研究成果の実用化を目指し,現在の日本における喫緊の課題の一つである橋梁等のインフラ設備の老朽化とそれに伴うメンテナンスの必要性という社会ニーズに応える。
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研究実績の概要 |
現在の日本では,橋梁等のインフラ設備の老朽化とそれに伴うメンテナンスの必要性が深刻な問題となっており,橋梁の健全度評価には橋脚間中央部の鉛直方向の振動沈下幅の計測が不可欠とされている。しかし現状では,この振動沈下幅の計測の制限が強い。そこで本研究では,橋本が独自に開発した高精度画像計測技術を振動沈下幅の計測へ応用して現状の制限へ対策する。具体的に,高い汎用性(人工マーカーを用いない,計測距離の延長,橋梁に対する角度の自由度増加)の実現により健全度評価のための計測が飛躍的に簡便となることを目指す。 今年度は,前年度の成果を踏まえて以下の研究を行った。 テーマ1(汎用性の向上):鉛直方向0.1mmの分解能を維持しつつ,計測距離を2倍,角度は斜め30度までの計測に関する検証と改良を行った。(a)シーズ技術を使ってカメラ配置等について実機の改良を検討した。(b)橋梁に対する対応点探索の研究として,ZNCCやPOC等のマッチング手法およびA-KAZE等の画像特徴点を対象に,最新のDeep Learning超解像モデルを導入して超解像の有効性の検証を継続した。(c)カメラの揺れに対して様々な検討を行った結果,橋梁以外の固定点(例:地面,遠方の物体)を含めて撮影し,画素分解能の低さを超解像により補う方法が有望であると考えられるため詳細な検討を行った。なお,それ以外の方法(リアルの不動点の活用,機械学習によるカメラの振動の補正)についても検討を継続した。テーマ2(実機製作と計測実施):上記の研究結果を踏まえて実機を製作した。その実機を用いて様々な条件での詳細な計測を実施した。結果として,橋梁の鉛直方向の振動沈下幅(たわみ)の計測の汎用化の実現について目処が立った。さらに,本研究の画像計測技術が様々なインフラ構造物の健全性評価へ応用できることが分かってきたため,それらの検討についても取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・研究実施計画のテーマ1,2を達成できたこと。 ・画像計測において新たな知見を複数見出し,当初計画以上に新しい手法等を開発(キャリブレーション,カメラの揺れに対する振動補正,対応点探索,カメラの設置方法,他),さらに計測対象の拡大の目処が立ったこと。 ・各種調査やヒアリングおよび展示会での情報収集等により,橋梁の健全性評価において橋梁のたわみ計測が重要であるため複数の方法が提案されているもののそれぞれに課題が残っており,本研究の独自の計測方法によるアプローチに取り組むことで,実用的に有効な計測を行えると見込まれること。 ・本研究の画像計測技術が様々なインフラ構造物の健全性評価へ応用できることが分かってきたため,それらの検討についても鋭意取り組んでいること。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに製作した計測システムを使った計測結果から問題点を洗い出し,それらの問題点の克服について詳細な検討を行い,計測システムの改良を繰り返すことにより,本研究を鋭意推進させる。並行して,計測精度等の向上についての理論的な研究も継続する。 専門家とのヒアリング等を適時行い,実際の現場に適用できるようなシステムの構築に役立てる。 研究成果を積極的に学会やシンポジウム,学術論文等にて公表していく。 さらに,本研究の画像計測技術の様々なインフラ構造物の健全性評価への応用についても鋭意取り組んでいく。
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