研究課題/領域番号 |
22K04141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
丸 浩一 香川大学, 創造工学部, 教授 (00530164)
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研究分担者 |
中津原 克己 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (70339894)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 計測工学 / 計測機器 / 速度計測 / レーザドップラー速度計 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは,光を用いた非侵襲な速度分布計測技術として,精密な位置情報取得を可能とする光空間エンコード化を利用した差動型レーザドップラー速度計測技術を開発してきた.本研究では,光空間エンコード化のコンセプトを発展させ,速度分布の同時計測が可能な新たな3次元空間速度分布計測方法を確立するための技術を開発するとともに,マイクロ流路等の微小領域の速度分布を計測可能な集積型デバイスへ展開するための技術を開発する.
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研究実績の概要 |
令和4年度に引き続き,速度分布の同時計測を可能とする新たな3次元空間速度分布計測方法を確立するための技術開発として,研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発,および,マイクロ流路等の微小領域の速度分布を計測可能な集積型デバイスへ展開するための技術開発として,研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発を実施した. 研究課題①としては,3次元光空間エンコード化手法の開発として,令和4年度に検討した4×4チャネルの2次元周波数バイアスエンコード化と波長エンコード化を組み合わせた光学系設計に基づいた実験系の構築を行った.信号対雑音比の改善のため,波長多重化後に光ファイバアンプを用いて測定対象への入射光の光増幅を行った.波長選択用薄膜フィルタを取り付けた複数の受光用アバランシェフォトダイオードを設置し,ファイババンドルを用いて測定対象からの散乱光を各フォトダイオードに入射し,高速デジタイザを用いて各フォトダイオードからの信号スペクトルを観測した.3波長を用いた速度同時計測を検討した結果,3次元速度分布の同時計測が可能となる見通しを得た. 研究課題②としては,3次元速度分布同時計測のための複数波長のレーザ光源と波長合分波器を用いた光回路構成を提案した.また,提案した光回路構成に用いるためのNb2O5系導波路を用いたグレーティングカプラを設計した.令和4年度に引き続きNb2O5/SiO2多層膜を導入した構造のシミュレーションを行った結果,受光用と出射用グレーティングカプラを同時に高効率化できる見込みを得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発では,3次元同時計測を実現するための3次元空間エンコード化を導入した光学系設計を完了するとともに,構築した実験系により3次元同時計測の実現見通しを得た. 研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発としては,3次元速度分布同時計測用の光回路を提案し,この光回路を実現するための高効率グレーティングカプラのシミュレーションを実施した. これらのことから,本研究が順調に進展しているものと判断する.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に引き続き,研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発,研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発を行う. 研究課題①では,令和5年度に構築した実験系を改良することにより,2次元周波数バイアスエンコード化と波長エンコード化を組み合わせた3次元空間エンコード化原理による3次元同時計測の原理検証を継続するとともに,計測精度等の検証を行う. 研究課題②では,令和5年度に提案した速度同時計測用光回路に用いる受光用/出射用グレーティングカプラの設計を引き続き行う.また,光回路実現のための分波・プローブ部の光回路設計およびグレーティングカプラ試作のための検討を引き続き実施する.
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