研究課題/領域番号 |
22K04143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
小山 長規 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10336802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光ファイバセンサ / イーサネット / Ethernet / 長周期光ファイバグレーティング / LPFG / OpenFlow / 光ファイバセンシング / 長周期ファイバグレーティング / シングルボードコンピュータ / スマートセンサ情報システム / フォトニックネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的の一つは、光ネットワークで用いられるEthernet用光トランシーバ (一万円程度) を光源・受光器として用いる超低コストシステムの実現である。本技術は、システム広域化でより大きな低コスト効果を発揮する。ただし、広大な既設光ネットワークをシステム基盤とするための光ファイバセンサと光ネットワークの融合技術が必要であり、融合技術の確立が本研究の核心的な目的である。本研究の成果は、多くの既設光ネットワークに適用可能であり、様々な社会インフラに対するモニタの基礎技術となりうるため、防災減災のための新規低コストシステムの開拓に寄与できる。
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研究実績の概要 |
研究実施計画に照らし、次の(1)~(3)を中心に研究を実施した。 (1) 光ネットワーク基盤型光ファイバセンサシステムの計測温度範囲の拡大: 出力波長の異なる複数のEthernet用光トランシーバと、光スイッチもしくは光カプラを用いることで光ネットワーク基盤型光ファイバセンサシステムの計測温度域を拡大する方法を提案した。実証実験により、波長多重された5波長を用いることで約60℃~760℃の高温度域、さらには氷点下の温度域に対して2波長で約0℃~-80℃の範囲を計測できることを明らかにした。 (2) 光ネットワーク基盤型光ファイバセンサシステムの低コスト化: システムに使用する機器の変更ではなく、使用数を少なくすることで低コスト化する手法を検討した。低コスト化の指標として、センシング対象地(光ファイバセンサ)あたりに必要な光トランシーバの数、ネットワーク機器などの数を採用することとした。 (3) ネットワーク仮想化技術の蓄積とウエブシステムの高機能化: ネットワーク管理者の負荷軽減を目的とする仮想化技術を蓄積した。OpenFlowをシングルボードコンピュータに搭載して、これとネットワーク装置及びウエブサーバと連携させ、マルチベンダ環境におけるネットワーク設定のための共通インターフェースの高機能化(ファイアウォール設定やレイヤ2フィルタリングなど)を進めた。 本研究に関連した論文を2件、国内大会で2件の研究発表を行った。また、1件が国内の研究発表会(電子情報通信学会関西支部学生会第28回学生会研究発表講演会)で高く評価され、受賞(奨励賞)した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の研究実施予定であった、(1)光ネットワーク基盤型光ファイバセンサシステムの計測温度範囲の拡大とシステムの低コスト化の検討と、(2)仮想化技術による光ネットワークと光ファイバセンサの融合技術の蓄積、に関しておおむね順調に成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の成果を踏まえて2024年度は次の項目に重点を置き研究を進展させる。 (1) システムの低コスト化: 各計測対象場所に必要な構成機器を減らすことでシステムの構築コストの低減を目指す。また、温度評価に必要なコンピュータとして、安価なシングルボードコンピュータを用いることでシステムの低コスト化を目指す。 (2) システムの高機能化: 仮想化機能を搭載するシングルボードコンピュータ、ネットワーク装置、ウエブサーバなどの機能連携を推進することによってシステム全体の可用性を向上させる。
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