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低酸素症疾患胚特有の体動変動パターンの解明と異常成長診断システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04146
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21030:計測工学関連
研究機関函館工業高等専門学校

研究代表者

森谷 健二  函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (90342435)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードニワトリ胚 / 体動 / 初期杯 / 低酸素環境 / ニワトリ初期胚 / 低酸素症 / 胎児計測モデル
研究開始時の研究の概要

胎児成長モデルとして哺乳動物にはないメリットを持ち,特に呼吸循環機能計測に適した鳥類胚を用いて疾患特有の生理パラメータの変動からDNAエピゲノム解析に現れない胎児の循環呼吸器系疾患の検知を大ゴールとして,1) 計測が困難なために報告のない胚形成期も含めた正常成長胚と疾患モデル胚の体動パターンデータベースを策定し,2)低酸素症疾患モデル胚特有の体動データと酸素濃度・暴露時間条件との関係を明らかにし,3)高精度な体動計測システムおよび体動量解析システムを開発し,4)これらのデータから胎児の成長異常検出システムを開発し,実運用を試みる.

研究実績の概要

2022年度の研究結果では,低酸素症が原因と考えられる死亡胚においてその死亡直前に,正常胚で報告されている周期とは異なる周期的な体動が見られた.このことは,やはり低酸素症特有な体動パターンの存在の可能性を示唆していた.また,18%酸素20分-通常環境40分のサイクルでは低酸素環境における影響はそれほど大きな影響がないと判断したため,2023年度(R5年度)は酸素濃度を下げた17%酸素20分-通常環境40分サイクルと暴露時間を増やした18%酸素30分-通常環境30分サイクルの2条件で調査を行った.
17%酸素20分-通常環境40分サイクルにおいては数十個体において実験を行ったが,目標である3日間の撮影ができており,かつ,カメラからフレームアウトしていないなど解析可能であった個体はわずか1例であった.この1例に関しては長期的な低酸素環境の影響は受けている可能性はあるものの短期的な影響は見られなかった,あるいは従来起きる体動変動に比べて小さかったといえる.この点はN=1であるため,引き続き実験例数が必要である.
一方,18%酸素30分サイクルでは,低酸素暴露開始55時間後から正常成長胚でみられる周期と異なる周期がみられ,胚の成長とともにその周期,持続時間,周期変動が次に起きるまでのインターバル期間が徐々に短くなっていった.この現象は,これまでの低酸素環境の蓄積の影響か,この段階で低酸素症を発症した可能性がある.しかし,18%酸素30分-通常環境30分サイクルの個体においても同様に120時間まで解析可能であった例数は同じくわずか1個体であったため,今後は同じ条件で実験を繰り返す必要がある.
さらに,17%,18%どちらの実験においても解析可能な映像の取得率があまりに低いため,計測システムそのものを再度見直す必要があると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験は初年度R4年度のコロナ感染症による遅れ以外は計画通り進んでいるが,得られた例数がR5年度はわずか2例と非常に少ない.それでも特異な変動が確認されたことは素晴らしい発見であるが,ほかの胚においても確認できなければ「その現象は再現性がない」「偶然である」で終わってしまう可能性がある.したがって,実験自体は順調に行っているが得られた成果が予定より少ないためやや遅れていると判断した.

今後の研究の推進方策

本実験の目的として低酸素症状態特有の体動変動を見つけることがあるが,本年度の成果からその可能性は示唆されたものの,例数があまりに少ないため,今後も実験を繰り返す必要がある.
また,解析可能な映像の入手率が少なすぎることから,システムに問題がある可能性があるため,その原因特定と改善も行っていく.
これまでテンプレートマッチングにて胚の位置を検出していたが,これにはどこを初期のテンプレートとするかに人の意思が影響として残る.最終年度であるR6年度にはAIによる物体認識を利用して胚のポジション決定するシステム構築を行う.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Intermittent 18% O2 Hypoxic Conditions on the Body-movement Patterns of Early-stages Chick Embryos2024

    • 著者名/発表者名
      Moriya Kenji、Fujii Yuki、Chiba Yuya
    • 雑誌名

      Journal of the Institute of Industrial Applications Engineers

      巻: 12 号: 1 ページ: 18-23

    • DOI

      10.12792/jiiae.12.18

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Investigation of Body Movements under Short-term Low Oxygen Environment During Early Stages of Chick Embryo2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Fujii, Yuya Chiba, Yoshiko Maruyama, and Kenji Moriya
    • 雑誌名

      Proceedings of the 9th IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ニワトリ初期胚における間歇性低酸素環境下での体動計測2022

    • 著者名/発表者名
      藤井 勇気, 千葉 裕弥,圓山由子,森谷 健二
    • 学会等名
      産業応用工学会全国大会2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] nvestigation of Body Movements under Short-term Low Oxygen Environment During Early Stages of Chick Embryo2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Fujii, Yuya Chiba, Yoshiko Maruyama, and Kenji Moriya
    • 学会等名
      he 9th IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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