研究課題/領域番号 |
22K04148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
江口 正徳 呉工業高等専門学校, 電気情報工学分野, 准教授 (60613594)
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研究分担者 |
岡田 麻美 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 研究員(移行) (30517280)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 誘電泳動 / 生体分子 / インピーダンス計測 / DNA分解酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA分解酵素は血液などの体液中に存在するタンパク質の一つであり,細胞内でのDNA代謝に深く関与していることから,生体内で重要な役割を果たしている.このDNA分解酵素は, 胃がん,大腸がんなどの各種悪性腫瘍や超早期の急性心筋梗塞などの新たな診断マーカーとして期待されている.本研究では,申請者らがこれまでに開発したインピーダンス計測法および誘電泳動法を用いた,DNA分解酵素検出の開発を行う.本手法を用いたセンシングデバイスが実現されれば,医療診断マーカーとして注目されるDNA分解酵素を極微量血液から検出することが可能となる.
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研究実績の概要 |
本研究では,DNA分解酵素などの生体分子や細胞外小胞を極微量の血液で検査可能な新規の生体分子計測技術を電気工学的アプローチにより構築するとともに,それらの生体材料の電気的特性を解明することを目的とする.今年度の研究実績は以下のとおりである. (1) アビジン-ビオチン反応を用いて,ポリスチレンマイクロ粒子に生体分子(DNA)を固定化し,誘電泳動現象と斜面重力を組み合わることにより,DNA分解酵素によるマイクロ粒子の誘電特性の変化を検出した.マイクロ粒子に発生する誘電泳動力は,DNAの固定化によって増加し,DNA固定化の有無により斜面重力との平衡点は,20 μm程度変化することが確認できた. (2) 液中のエクソソームを抗原抗体反応により,効率的に特異的抽出を行うために誘電泳動を用いた抗原抗体促進法を開発した.誘電泳動とは,不均一電界下に存在する溶液中の粒子に力が生じる現象で,粒子を1箇所に収集することが可能である.生体細胞(HEK293)を用いた実証実験を行い,その有効性を明らかにした. (3) エクソソームの電気的特性を利用した検出法として,インピーダンス計測による検出法を提案した.具体的には,誘電泳動により,溶液中のエクソソームを誘電泳動により電極間に架橋し,その時のインピーダンスの変化を測定することで,エクソソームの検出を試みた.エクソソームが捕集されるほど,導電率のていることが確認できたが,エクソソームのサイズが小さく,エクソソーム架橋によるインピーダンス変化量は小さかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の研究計画通り進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては,インピーダンス計測の際に溶液中の電極表面に形成される電気二重層を考慮したインピーダンス計測用電極の設計を行い,高感度なインピーダンス計測を実現する.また,生体分子固定化マイクロ粒子の誘電泳動特性測定のさらなる高感度可能な電極形状の設計を行う.
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