研究課題/領域番号 |
22K04169
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
|
研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
堀 磨伊也 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (80772558)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 予測モデルの局所的解釈 / 運行最適化 / 局所的解釈 / 最適化 / 不確実性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、不確実性を持つ予測値を用いた最適化問題の一例としてオンデマンドバスの運行ルート最適化を目的とし、乗車リクエスト予測を行うモデルの局所解釈に基づいた新たな最適化手法の構築を行う。特に乗車リクエストはイベントなどの環境情報に応じて急激に変化することがあるため、運行ルートの最適化時には乗車リクエストの予測の信頼性が重要となる。そこで本研究では、様々な関連データを用いて構築された複数の予測モデルに対して局所的解釈を行い、各予測の信頼性を考慮しながら最適運行ルートを決定する手法を提案する。
|
研究実績の概要 |
オンデマンドバスの乗車リクエストに関して各バス停の予測値だけでなく,予測に用いられた入力特徴の貢献度を用いて強化学習の枠組みで運行ルートの最適化を行うことが研究目的であった.実際にこれらを行う準備として,予測に用いられた入力特徴の貢献度がどの程度運行ルート最適化に対して有効かを調査する実験を行った.オンデマンドバスの乗車リクエストに関するデータが少ない場合は,十分な予測精度が期待できないと考えられる.そのため本研究では,サービスを行う上でどの程度の予測精度があれば,将来需要を考慮した経路最適化が有効であるかを調べ,それに基づいて予測を利用するかどうかを選択した.さらに本研究では,十分な予測精度が得られない場合に,予測モデルの解釈性を活用することで時間コストの削減を試みた.予測結果が何を根拠に出力されているのかがわかれば,それをもとに予測結果が信頼できるかどうかを判断できる.特定の入力に対する予測結果の根拠を調べる手法として局所的解釈手法が存在し,その代表的な例として,SHapley Additive exPlanations(SHAP)が挙げられる.SHAPは,ゲーム理論におけるShapley値の概念を機械学習モデルに適用した手法で,ある入力変数の数値が既知のときと未知のときの出力値の差分からその変数の貢献度を求めるものである.本研究では,この局所的解釈手法を予測モデルに適用し,予測結果に対する各入力の貢献度を求め予測結果に対する信頼性を推定した.実験では信頼性の低い予測結果を排除することで時間コストのさらなる削減を実現できることを示した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のため実験において新たなオンデマンドバスに関する乗車リクエストデータを取得することができない状況が続いたが,コロナ禍以前に蓄積されたデータを用いて予測モデルの局所的解釈を行った.バス停の配置状況および予測精度に応じて,乗車リクエストの活用状況が異なることを明らかにした.さらに,予測モデルの局所的解釈によって得られた入力特徴の貢献度を運行ルート最適化に用いることで,オンデマンドバス運行において時間コストの削減を実現できることがわかった.
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は信頼性の低い予測結果を予測モデルの解釈性に基づき人手で信頼性が低いものを排除することで,オンデマンドバスの運行に関する時間コストを削減できることを示した.次年度は同じ問題に対して強化学習の枠組みで自動的にどこまで実現できるかを明らかにする.
|