研究課題/領域番号 |
22K04172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
黒江 康明 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (10153397)
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研究分担者 |
飯間 等 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (70273547)
森 禎弘 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (40273544)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | システム解析・設計 / モデリング / データ同化・融合 / 異種モデル / アルゴリズムモデル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、取り扱うべきシステムは、ますます大規模化、複雑化してきており、SOS(System of Systems)などシステムに関する新たな概念が生まれている。一方、最近の著しい情報技術の発達により、多種多様な大量のデータを容易に取得、蓄積、処理、利用できるようになり、さらにヒト、モノ、コト、データなどがネットワークを介して直接つながるIOT(Internet of Things)時代を迎えている。本研究では以上のことを背景として、IOT技術を前提とした、数学モデルやアルゴリズムやルールで表された種々の形態のモデル、および得られる多種多様なデータを融合するシステムの解析、設計法を開発する。
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研究実績の概要 |
近年、取り扱うべきシステムは、ますます大規模化、複雑化してきており、SOS(System of Systems)などシステムに関する新たな概念が生まれている。一方、最近の著しい情報技術の発達により、多種多様な大量のデータを容易に取得、蓄積、処理、利用できるようになり、さらにヒト、モノ、コト、データなどがネットワークを介して直接つながるIOT(Internet of Things)時代を迎えている。本研究では以上のことを背景として、IOT技術を前提とした、数学モデルやアルゴリズムやルールで表された種々の形態のモデル、および得られる多種多様なデータを融合するシステムの解析、設計法を開発することを目的として研究を遂行している。 上記の目的を遂行するため具体的に、次のような研究をすすめ成果を得ている。まず新たなシステムズアプローチを構築するためには、境界と関係性を視座とすることが重要であることについて論考をすすめ、システムにおける種々の境界や関係性を視座とすることによりこれまでとは異なるシステムの解析・設計法の開発の可能性について考察している。また、種々の形態のモデルや得られるデータの境界と関係性を考慮することによるシステムの解析、設計法の開発ためのアプローチを示している。さらにシステムの時代と言われる現代において、システム学の在り方についても議論している。 また具体的なシステムを対象として、リズム現象の感度解析法、また分岐現象の解析法を提案し、そのシステム解析、設計への応用に関する検討を行っている。この結果は、数学モデルとアルゴリズムモデルであるミューレータを融合してシステムを最適化する方法を導く基礎となる。さらに人の持つ知識やスキルやデータをシステムの解析、設計法に導入するため強化学習の枠組みおよび具体的な学習法について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、IOT技術を前提として、数学モデルやアルゴリズムやルールで表された種々の形態のモデル、および得られる多種多様なデータを融合するシステムの解析、設計法を開発することである。そのためにはこれまでにないアプローチが必要で、新たなシステムズアプローチを構築するためにシステムにおける様々な境界と関係性を視座とする、新たなシステムの解析、設計論の構築についての論考を行っている。 融合するアルゴリムモデルとして、ニューラルネットワークのシミュレータおよびロボットシステムのシミュレータとして研究を進めている。またいくつかの具体的なシステムを対象として、数学モデルやアルゴリズムモデルなど種々の異種の形態のモデルを直接用い、またデータを同化、融合させた解析、設計法の開発を進めている。具体的には、同化、融合の問題を最適化問題として定式化し、この最適化問題を感度解析法を導入して解くアルゴリズムを導き、その実装をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的はIOT技術を前提として、大規模で複雑なシステムを解析、設計する方法を開発することである。開発する解析、設計法は、対象システムによらない一般的な方法とすることを目指すが、研究期間内は具体的な対象として、ニューラルネットワークの解析、設計問題とロボット制御系の解析と設計問題にターゲットを絞って研究を進める。具体的には、次のように2段階で研究を推進する。 1.学習機能をもつ解析・設計法の開発: 解析、設計法に学習機能を持たせ、それらが自律的に改善、進化できるようにする。そのため強化学習の枠組みを次のように導入する。すなわち、種々の形態のモデル(数学モデル、シミュレータ)やデータを強化学習における環境とし、解析、設計法をエージェントに対応させる。解析・設計エージェントが解析、設計法を環境である統合モデルに適用すると、その結果の評価として報酬を受け取る。解析・設計エージェントはこの報酬に基づき、さらに良い解析、設計法を獲得するよう学習する。 2.実システムと共進化するシステムの解析・設計法の開発: さらに学習エージェントを複数用意(モデリング、解析・設計、臨床の知・実践の知エージェント)し、群強化学習法の考え方に倣い次のように学習させる。すなわち、各エージェントは、種々の形態のモデル(数学モデル、シミュレータ)やデータと相互作用するだけでなく、実システムとも相互作用することにより学習するとともに、エージェント間の情報交換によっても学習する。臨床の知・実践の知エージェントは、人の知識をモデルとして用いる方法として導入するもので、他のエージェントと実システムとの相互作用により、それらの知を融合するとともにそれら自身も進化する。以上により実システムと共進化するシステムの解析・設計法を実現する方法論を構築する。
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