研究課題/領域番号 |
22K04175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
上 泰 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (20413809)
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研究分担者 |
小関 祥康 神奈川大学, 理学部, 准教授 (00614041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 数値的最適化 / 有限個周波数応答モデル / 低感度化 / 外点法型アルゴリズム / 数値的制御系設計 / 周波数応答データ / 最適化 / 繰返し手法 / 計算機パワー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,制御仕様を周波数領域上で記述出来れば目標とする制御器が得られる,という特徴をもった制御系設計手法の確立を目的としている.これまでは,制御仕様を計算機で扱いやすい凸問題に帰着させて制御器を求める,という手法が広く使われてきたが,凸問題に帰着させるために不自然な問題設定が行われて十分な性能を持つ制御器が得られない,などの問題点があった.本研究では,この流れを取る必要がない制御仕様の記述方法,および,制御問題の解法を提案することで,上記の目的を達成する.
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研究実績の概要 |
本研究は,周波数応答データ(有限個周波数応答モデル)を用いて周波数領域上で各種制御仕様を定式化すること,および,その定式化された制御問題を解く手法を開発することが研究目的となる.今年度は,制御器の更新方向を数値的に導出する手法を考案した.具体的には,暫定的に得られた制御器変数を中心とする微小半径の球面上で,目的関数の値が減少する方向を数値的に導出する方法を考案した.そして,従前の周波数応答データに基づく制御系設計の枠組み(モデルマッチングの考え方を用いた定式化と求解)では不自然な定式化となる一例である,制御系の低感度化問題に対し,上述の更新方向を用いて,制約条件を満たさない領域上に初期値を置き,制約条件を満たす方向へと制御器を更新する外点法型の手法を提案した.具体的には,与えられている角周波数点のすべてにおいて,周波数応答データを用いて評価関数の値を求め,その最悪値(制約条件からもっとも離れている点)の評価値を改善するように制御器を更新する方法を提案した.そして,従前から用いられている凸最適化による求解を前提とした手法では制御器が導出できない数値例題に対し,提案手法では,繰り返し計算によって制御器が制約条件を満たす方向へと徐々に更新されていくことや,提案手法からは制御器が導出できることを示し,その有用性を示した.また,本結果をベースとして,混合感度問題に対する制御器の導出も実施できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
制御器の更新方向を数値的に導出できており,低感度化問題などの,従前の周波数応答データに基づく制御系設計手法では制御器を設計できなかった問題に対して,本研究による手法では制御器の導出ができているため.
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今後の研究の推進方策 |
安定性の理論的保証ができていないことや,安定性を保証するための制約条件の与え方について検討すると共に,他の制御問題に対して今回の研究成果を拡張していく.加えて,更新方向の解析的導出についても検討を進める.また,得られた成果を学会等で発表していく.
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