研究課題/領域番号 |
22K04180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蓮見 真彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60261153)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 少数キャリアライフタイム / マイクロ波 / シリコン / pn接合 / 再結合速度 / 少数キャリア / キャリアライフタイム |
研究開始時の研究の概要 |
pn接合やMOS構造はトランジスタ、ソーラーセル、フォトセンサなどに幅広く用いられている。これらのデバイスの駆動には、半導体中の内蔵電位が重要な役割を果たしている。pn接合やMOS構造のキャリア再結合欠陥密度の低減は、実効少数キャリアライフタイムを向上し、デバイスの性能向上につながる。本研究は、可変バイアス電圧印加下におけるマイクロ波透過測定法を用いて、光誘起少数キャリア再結合速度とpn接合の内蔵電位との関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
トランジスタ、ソーラーセル、フォトセンサなどの半導体デバイスに幅広く用いられているpn接合やMOS構造の駆動には、半導体中の内蔵電位が重要な役割を果たしている。本研究は、マイクロ波透過測定法を用いて、pn接合の内蔵電位と光誘起少数キャリア再結合速度との関係を明らかにすることを目的として立案された。pn接合試料の不純物の活性化およびパッシベーション熱処理による光誘起少数キャリア再結合速度の最小化を図り、低欠陥pn接合試料の作製を目標とする。キャリア再結合欠陥密度の低減は、実効少数キャリアライフタイムを向上し、半導体デバイスの性能向上につながることが期待される。 3年計画の初年度は、研究プロジェクト推進に必要な設備および試料の作製条件を整えることが計画された。研究計画に基づき、① 可変バイアス電圧印加下におけるマイクロ波透過測定装置の調整を行った。減光フィルタを用いた励起光強度の調整を可能とした。② マイクロ波透過測定装置の動作検証のための試料準備を行った。シリコン基板、両面に100nm厚の熱酸化膜を形成したシリコン基板、片面に100nm厚の熱酸化膜を形成したシリコン基板を用意した。③ シリコン基板へのボロンおよびリンのイオン注入を用いてpn接合試料を作製した。活性化熱処理条件を変えた試料を複数用意し、次年度以降の光誘起少数キャリア再結合速度の評価に用いる。④ 活性で欠陥の多いシリコン基板表面およびシリコン基板のカット面のパッシベーション手法の検討を行い、90℃加熱水処理により実効少数キャリアライフタイムの向上を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に基づき、① マイクロ波透過測定装置の動作検証のための試料準備を行った。② シリコン基板へのボロンおよびリンのイオン注入を用いてpn接合試料を作製した。さらに、当初計画では次年度以降の検討課題に挙げたパッシベーション熱処理について、前倒して検討を始め、③ 90℃加熱水処理による実効少数キャリアライフタイムの向上を確認した。一方、マイクロ波透過測定装置への半導体レーザ光源の追加導入は、既存の3波長光源による評価を先行して実施することとし、次年度以降へ先送りした。以上の活動により、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
pn接合試料の活性化熱処理条件、パッシベーション熱処理条件による光誘起少数キャリア再結合速度の変化をマイクロ波透過測定を用いて調査する。さらに、バイアス電圧印加状態での実効少数キャリアライフタイムおよび再結合速度の測定・解析を行う。活性化熱処理、パッシベーション熱処理による実効少数キャリアライフタイムおよび再結合速度の変化について検討を行い、試料の電流電圧特性との関係について調査する。
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