研究課題/領域番号 |
22K04185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲葉 優文 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (20732407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 誘電泳動 / 均質性 / ナノダイヤモンド / 蛍光 / ナノアイランド / ナノパターン / カーボンナノチューブ / ガスセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
誘電泳動力は不平等電界により発生する駆動力で、微粒子の配向・集積のリアルタイムモニタリングが可能な手法である。申請者のグループでは誘電泳動力により集積した半導体微粒子をセンシング材料としたガスセンサに関する研究を遂行しているが、不平等電界による誘電泳動集積では、微粒子が不均質に集積される問題があった。本研究では、不平等電界によって生じる誘電泳動場を巨視的に均質に制御する“均質誘電泳動集積”技術基盤を構築し、微粒子集積に対する影響を、センサデバイスの特性比較を通して評価することを目的とする。
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研究実績の概要 |
ナノ・マイクロサイズの微粒子の操作は、高度なナノ構造の形成、ナノレベルでの反応場の形成、生体分子の観測・計測などの多岐にわたる領域で重要な基礎技術である。誘電泳動力は、誘電率の異なる溶媒と微粒子に不平等電界が印加されるとき、分極の偏りによってクーロン力が働くことにより発生する駆動力である。誘電泳動では、溶媒に分散・懸濁した微粒子を集積するため、希少・高価なサンプルにも適用しやすく、基板に容易に吸着しにくい半導体微粒子であっても電界の条件等を調整することで必要なときに必要な微粒子を選択的に、必要な量だけ集積させることができる。さらに、誘電泳動中のインピーダンスをモニタリングすることでリアルタイムに集積状況を知ることができるメリットがある。しかし、電界は電極のエッジに集中するため、誘電泳動力は電極エッジに集中して発生し、集積された微粒子による誘電泳動力によりそこを起点に集積が進行する。誘電泳動力をより均質に発生させることができれば、様々な微粒子をより均質に集積・操作しリアルタイムで評価するためのプラットフォームを構築可能である。 本年度は誘電泳動場を広域に形成するために、ナノパターニングの一つとして短時間の蒸着によるナノアイランドを用いることを考え、これに溶媒中で電界を印加した際、ナノアイランド端部に小さい誘電泳動場が形成されることを、COMSOL Multiphysicsを用いた有限要素シミュレーションで確認した。さらに、実際に作製したナノアイランド上に、微小な粒子が集積するかを確認するため、蛍光ナノダイヤモンドの観察系を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定では、一年目終了時点で、均質誘電泳動の基礎検証を予定しており、概ねその通り進展している。ただし、現在のところ実験的に均質な誘電泳動集積は確認できていないため、今後実現可能性を検討する実験を展開する。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ実験的に均質な誘電泳動集積は確認できていないが、これは印加電圧が不十分でナノアイランド周辺に発生する誘電泳動場の大きさが不十分となったこと、または誘電泳動場が捕集可能な微粒子の大きさが不十分であったことが原因として考えられる。 今後、印加電圧が十分となるように電極系を工夫すること、微粒子が捕集されているかをリアルタイムに観測することに注力して研究を遂行する。
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