研究課題/領域番号 |
22K04190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
中込 真二 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (60172285)
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研究分担者 |
安田 隆 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90182336)
矢野 浩司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90252014)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 酸化ガリウム / 酸化ニッケル / pn接合ダイオード / 高耐圧 |
研究開始時の研究の概要 |
独自に開発した全て酸化物からなるワイドバンドギャップNiO/Ga2O3系ヘテロpn接合ダイオードの基盤技術をさらに発展させ, さらなる高逆方向耐圧・低オン抵抗のダイオードを実現し, SiCの限界値を超える特性を目指す。 高耐圧化を実現するためにフィールドプレート終端構造を導入し, シミュレーションと試作結果の比較を通して最適化を図る。シミュレーションによってNiO層の厚さと導電率, β-Ga2O3基板表面近傍のキャリア濃度, これらのパラメータが特性に及ぼす影響について検討し, その結果を踏まえて試作を行って特性改善を図る。
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研究実績の概要 |
β-Ga2O3とNiOからなる全て酸化物のヘテロpn接合ダイオードの特性改善を目的に研究している。 β-Ga2O3 基板上に導電率を制御したNiO 層の形成においては、 (001) β-Ga2O3 基板上においてゾルゲル法で形成したNiO膜の場合では微細な粒状結晶と成り易く、平坦な均一膜が得られ難かった。そこで電子ビーム蒸着NiO層を使うことで均一かつ平坦な連続膜が得られたので上記の問題をかなり解決した。その平坦なNiO膜の上にゾルゲル法によってドープしたNiO層を形成するという手法をとることにした。X線回折測定や断面SEM観察によって確認しながら、この方法を用いて作製したダイオード試作では、1000V以上の耐圧をもつダイオードを実現できている。 β-Ga2O3 とNiO からなるpnヘテロ接合ダイオードの高耐圧化のための終端構造について、シミュレーションを実施している。リングを増やすことで降伏電圧が上昇することが確認できた。ただ、リングを増やしていくと増加に鈍化がみられ、その原因として、主接合に近いフィールドリングほど大きな負電界を相殺するのに大きな電圧が必要であることがわかった。 実際のフィールドプレート終端構造の形成のための微細な構造を作る試みを始めている。東北大学の微細加工設備を利用して、マスク作製、リソグラフィープロセスとイオンミリングの試行実験を行い、NiO層が1μm程度の幅で掘れることは確認できている。これを使ったダイオード特性の評価にはまだ至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平坦な均一なNiO膜をβ-Ga2O3 基板上に形成する技術の改善を図っており、X線回折測定や断面SEM観察によって確認をしている。この方法により試作したダイオードで1000V以上の耐圧を実現した。しかし、均一平坦な電子ビーム蒸着NiO層の上にゾルゲル法によってドープNiO層の形成する際に粒状となってしまう場合があり、条件を絞り込めておらず、改善の必要がある。 シミュレーションの結果を実際のダイオードに適用するためにパラメータのすり合わせが今後必要である。 終端構造を取り入れたダイオードの試作のためには、まだプロセスの確認と習熟が必要である。また、終端構造のない状態で同じような特性のダイオードがいつもできることが必要であり、再現性の向上が不可欠である。
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今後の研究の推進方策 |
平坦な電子ビーム蒸着NiO層の上にゾルゲル法によってドープNiO層の形成する際の条件を振る実験を行い、断面SEM像の観察などを通じて最適化を図る。またダイオードの特性の評価も行っていく。 シミュレーションの結果に基づき、ダイオード構造の設計を行うとともに、終端構造を取り入れたダイオードの試作を開始する。
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