研究課題/領域番号 |
22K04205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
木村 康男 東京工科大学, 工学部, 教授 (40312673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 局所陽極酸化 / フォトリソグラフィ / ウェットプロセス / 赤外分光法 / ガスセンサ / 酸化チタンナノチューブ / 陽極酸化 / 集積化 / 嗅覚センサ |
研究開始時の研究の概要 |
センサはIoT技術に不可欠の技術である。特に嗅覚センサは、現在、医療、健康分野において注目されている。嗅覚センサを実現するためには、異なる特性を有する高感度なガスセンサの集積が必要である。そのためには、材料の均一性、フォトリソグラフィやセルフアラインメント技術への対応など集積化プロセスをも考慮した材料や手法の選定が必要不可欠である。本研究では、局所陽極酸化を同一基板上で異なる条件で行い、酸化チタンナノチューブ膜をベースとした特性の異なるマイクロガスセンサの同一基板上への構築を目指す。これらの技術は、超小型超低消費電力臭覚センサ作製のための基盤技術となり、IoT技術の発展に大きく貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、局所陽極酸化を同一基板上で異なる条件で行い、センサ部を酸化チタンナノチューブ膜をベースとした特性の異なるマイクロガスセンサの同一基板上への構築を目指している。そのために、セルフアライメント技術に対応した、フォトリソグラフィと陽極酸化技術とを組み合わせた局所陽極酸化技術による作製プロセスの確立及び、電気化学的な触媒金属の担持技術の確立のための多重内部反射赤外吸収分光(MIR-IRAS)システムの立ち上げを行った。作製プロセスの確立では、陽極酸化する領域を制限するためのチタン(Ti)細線の保護膜として使用するシリコン酸化膜(SiO2)のエッチングの安定化のために、3枚の試料の同時エッチングが可能なウェットエッチングプロセス用の半自動システムを作製し、エッチング液の攪拌の違いによるエッチング速度のムラを抑制し、実験者によるウェットエッチングプロセスの歩留まりの依存性を抑制した。このプロセスは、Tiへのダメージを最小限にするためエッチング終了のタイミングを見極めるのに熟練を要し、実験者による歩留まりの依存性が高かった。これにより、研究の迅速な遂行が期待される。一方、電気化学的な触媒担持の観察においては、担持する金属微粒子の原料となる電解液を分光中に扱えるようにするために赤外分光器(マイケルソン干渉計)の外部に試料室を設けた。そして、その試料室と赤外線検出器とを覆い、赤外分光の妨げとなる水と二酸化炭素を雰囲気から除去するためのパージボックスの設計を終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、局所陽極酸化技術による作製プロセスにおける、フォトリソグラフィの最終工程であるSiO2保護膜のウェットエッチングによるパターニングの歩留まりが悪く、試料を多く作製することが困難な状況であった。大きな原因は、エッチング中におけるエッチング液の攪拌の状況が実験者によって統一することが困難であったため、エッチング速度を安定化できなかったことが原因の1つであると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
SiO2エッチングプロセスの安定性ついては、半自動化し、ディジタルで攪拌を制御することにより、ウェット炎銀具の実験者による依存性を抑制することにより対応した。今後、実験者の不慣れによるSiO2のオーバーエッチングが予想される。オーバーエッチングは陽極酸化領域のTi細線にダメージを与える。オーバーエッチングが抑制できない場合は、SiO2エッチング液の再検討や、Ti膜をAlで保護し、Al Pad用エッチング液を使用することも検討する。電気化学的な触媒担持方法については、電源制御用ソフトウェアを購入し、ソフト開発に時間をかけずに触媒担持法の確立を急ぐ。
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