研究課題/領域番号 |
22K04234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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研究分担者 |
辻 寧英 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (70285518)
井口 亜希人 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (00872996)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発見的最適化手法 / トポロジー最適化 / 第5世代通信システム / ミリ波 / テラヘルツ波 |
研究開始時の研究の概要 |
5G高速通信を支える基幹技術の一つとなるのが従来に比べ非常に高い周波数帯であるミリ波帯の利用である。高性能ミリ波帯回路素子の設計にはトポロジー最適化法が注目されている。トポロジー最適設計においては様々な手法が提案されているが、現在、最も注目を集めている手法が人工知能の一つである発見的最適化手法である。本手法は、従来の手法よりも高性能な素子を効率的に設計できると期待されるが、未検討な部分が多く、数値解析の効率化および素子性能最適化に関する研究が重要である。本研究の目的は5G時代における発見的最適化手法の開発とそれを用いたミリ波帯の高性能素子開発の可能性について明らかにする事である。
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研究実績の概要 |
5G大容量高速通信システムにおいてはミリ波の利用がキーテクノロジーになる。従って、ミリ波回路素子の小型化、軽量化、高性能化、多機能化は非常に重要な技術となる。 本研究の目的は、従来の解析的設計では不可能であった性能を持つミリ波素子のトポロジー最適設計技術による新素子の開発である。 さて、本研究では発見的人工知能型最適化設計手法である進化型手法の一つである遺伝的アルゴリズムについてミリ波回路設計時における性能評価及び新技術の導入を行った。 ミリ波回路としては最も損失の少ない線路であるNRD線路(非放射型誘電体線路)の設計に注目した。 結果として、交差導波路、分岐導波路などについてトポロジー最適化手法を用いた解析を行い、その性能を調べるとともに手法に改良を加え、より高性能な設計手法と従来の設計では不可能であった特性を持つNRD線路素子の実現が可能となった。特に基本となる交差線路においては従来2本の線路を交差させると2本の独立した線路としての特性を得ることは不可能であったが、本研究で開発したトポロジー最適化手法を用いると、2本の独立した線路として動作させることが可能となった。これは例えば、N本の交差線路の最適構造設計を行えば、N層の回路が1層の回路で実現出来ることを示しており、回路の超小型化実現に画期的な解析手法を見出した事になる。その他、分配器の最適設計や他の進化型最適設計法の特性把握も行い、将来へ向けたミリ波集積回路のトポロジー最適化手法の有効性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では発見的人工知能型最適化設計手法である進化型手法の一つである遺伝的アルゴリズムについてミリ波回路設計時における性能評価及び新技術の導入を行った。ミリ波回路としては最も損失の少ない線路であるNRD線路(非放射型誘電体線路)の設計に注目した。 結果として、交差導波路、分岐導波路などについてトポロジー最適化手法を用いた解析を行い、その性能を調べるとともに手法に改良を加え、より高性能な設計手法と従来の設計では不可能であった特性を持つNRD線路素子の実現が可能となった。 上記の内容はほぼ研究計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては研究計画調書に書かれているように、他の新しい機能を持ったミリ波回路の実現を設計面から提案する。 また、この技術を同じく電磁波であり、6Gで使われるテラヘル波回路のトポロジー最適設計に応用して行く予定である。
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