研究課題/領域番号 |
22K04239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
立松 芳典 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (50261756)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ジャイロトロン / モード変換器 / ガウスビーム / 放射パターン計測 / 結合係数 / 多周波数 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの研究課題に汎用的に利用できるジャイロトロンとして、これまでに多周波数でガウスビームを出力できるジャイロトロンを開発した。しかし、このジャイロトロンは、周波数によってガウスビームが出力窓の中心からずれた位置から斜めに放射されるという欠点がある。また、一部の周波数(モード)に対して、計算とは異なり、出力ビームが2つに分裂するという結果が得られた。本研究ではモード変換器の改良及び外部ミラーによる放射ビーム方向の補正により、これらの問題を解決する。これにより、多周波数ジャイロトロンの能力をフルに利用できるようになり、ジャイロトロンを利用した応用研究の範囲が広がり、異分野融合研究につながる。
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研究実績の概要 |
多周波数ガウスビーム発振ジャイロトロン G-VIIにおいて、TE13モードとTE14モード発振時にビームが2つになる原因の解明について、前年度は理論的な解明のみであったが、それに加えて実験でも実証した。ピークが2つになる原因は、ジャイロトロンの共振器内で、2つの回転モードが同時に励起され、その各々がモード変換器によって変換されたガウスビームがジャイロトロン窓から出力された結果であるという仮説を立てた。2つの回転モードは共振器に入射する電子の半径により、それぞれ電子との結合が変わる。そのため、補助磁場コイルの電流値を変え、磁力線の形を変えることで、共振器内に入射する電子の半径を変えながら、2つのピークの強度比がどう変わるかを測定した。その結果、2つのピークの強度比の変化は、回転モードそれぞれの電子との結合の変化とよく一致した。このことから、上の仮説が正しいことを実証できた。この成果を国際学会およびプラズマ・核融合学会年会で報告した。 次の研究計画である外部ミラーの設計を行う前に、現在のビーム方向が設計通りに出ているかどうかをいくつかの発振モードについて調べた。これまでは、位置を固定してビーム形状測定をしていたが、測定する位置をいくつか変え、それぞれのモードに対してビームの進行方向を測定した。その結果、設計から期待する方向にビームは出ておらず、数度の角度差があった。この原因は、ジャイロトロン内のモード変換器の設置の誤差からきている。モード変換器を構成する4枚のミラーの内、最終ミラーは位置や傾きを調整できるようになっている。最終ミラーを調整することで、窓から放射されるビームの方向を設計に合わせた。その後、モードにより異なる方向に出射されるビームが同じ位置を通るように調整する外部ミラー系の設計を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書の記載した内容の前に、いくつかの発振モードに対して実際にジャイロトロン窓から放射されるビーム方向の測定を行った。その後、研究計画調書記載の研究を行った。
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今後の研究の推進方策 |
モードにより異なる方向に出射されるビームが同じ位置を通るように調整する外部ミラー系の設計の続きを行い、実際にそのミラー系を製作、設置する。意図したとおりに1つのミラーの回転のみで、あらゆる発振モードに対してビームが同じ位置を通るかどうかを調べる。
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