研究課題/領域番号 |
22K04250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
奥村 万規子 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (30329304)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | サッカード / LEDラインディスプレイ / 256階調 / ラインディスプレイ / QRコード / 空中ディスプレイ / 視線移動 / LEDディスプレイ |
研究開始時の研究の概要 |
視線移動や「まばたき」などで生じる高速な眼球運動(サッカード)中に,点滅するLED光点列を,奥行きや動きを持たせて知覚させ,脳内で3次元知覚が可能となる大型ラインディスプレイ装置を開発する.本装置では,情報が空間に提示されるので,密集した建物の角など,これまで設置困難であった場所にも設置できる.省エネ・省スペースで,夜間の広告やエンターテイメントなど幅広い分野での応用が期待できる.
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研究実績の概要 |
これまでに製作したLED128個からなる大型のサッカード型ラインディスプレイを用いて,複数の知覚評価実験を行い,実用化に向けての検討を行った.本ディスプレイの最高点滅周波数は20kHzであり,この場合の知覚最適距離は25m~30mであることがわかった.また,文字の知覚実験では,視線移動の方向により片方では文字が反転するが,ひらがなは4文字,漢字は2文字,アルファベットは4文字程度であれば,反転していない表示で知覚でき,十分認識できることがわかった.ただし,情報量としては画像の方が多く,1基での文字表示はあまり適していないと考えられる.知覚しやすい画像の特徴としては,かぼちゃ,さくら,クリスマスリースなどが,画面いっぱいに表示されると全ての被験者が高得点で評価した.また,屋外と屋内では,夜間屋外が最も知覚しやすい結果となった. また,これまで表示できる画像の階調は8階調までであり,これは階調のPWM波形は画像データで生成し,使用するマイコンのメモリーと速度の制限からくるものであった.そこで,LEDドライバーICを用いて表示できる画像を256階調まで上げ,マイコンのSPI通信とDMA(Direct Memory Access)により,高精細な画像を高速点滅で表示可能する新たなラインディスプレイの開発を行っている.現在,回路設計,レイアウト設計,実装,基本機能のプログラムの書き込みまでが終了し,表示試験を行っている.その結果,親基板から子基板への画像データの転送に関して,回路の修正が必要であることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
256 階調の画像の高速点滅を実現するラインディスプレイの開発において,回路設計の段階で何回かミスが見つかり,これまでに3回やり直しをしているため,計画よりやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
現在開発中の256階調,高速点滅のサッカード型ラインディスプレイを完成させ,画像知覚の評価実験を実施する.これまで8階調までの表示で,色の違和感を感じた画像の知覚が改善されたかどうかを確認する.また,機能としては,遠隔からの操作機能を追加する.次に複数のラインディスプレイを連携して,奥行や動きの表現を検討する.複数のラインディスプレイの連携は,有線での実施を考えている.
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