研究課題/領域番号 |
22K04256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
藤原 浩己 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (30323314)
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研究分担者 |
丸岡 正知 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50323316)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フライアッシュ / モルタル / コンクリート / 有効利用 / 微粉末化 |
研究開始時の研究の概要 |
既に処分場に埋め立てられた既成灰を含む、石炭火力発電所において排出されるフライアッシュに微粉末化などの処理を施し、セメント系硬化体に高耐久、高強度等の高性能を付与する新たなポゾラン材料を開発することを目指し、フライアッシュの処理方法と粉体特性およびセメント質硬化体の性状の関係を実験的に検討し、実用化に至るための基礎的な知見を得ることを目的とした研究を行う。
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研究実績の概要 |
高強度コンクリートを製造可能とする混和材料として多用されるシリカフューム(SF)の代替材料として、国内で容易に入手可能なポゾラン材であり、石炭火力発電所から排出されるフライアッシュを微粉砕し、平均粒子径を1.5および3.0μmとした微粉砕フライアッシュを適用した高強度・高流動配合コンクリートを基準にしてモルタルによるフレッシュ性状および強度発現性について実験的に検討を行った。 フレッシュ性状において、平均粒子径1.5μmの微粉砕フライアッシュ(FFA15)をセメントに対して置換する場合、体積置換率10%ではダイラタンシー性状を示し、20%、30%置換した場合はダイラタンシー性状を示さなかった。また、平均粒子径3.0μmの微粉砕フライアッシュ(FFA30)を用いた場合は、セメントに対する体積置換率が大きくなるほどダイラタンシー性状が顕著に表れた。また、圧縮強度発現性においては、FFA15をセメントに対して体積置換率30%の条件で、比較対象としたSFをセメントに対して体積置換率10%とした配合(150MPa)と比べてやや低い圧縮強度(140MPa)を発現し、FFA30を用いた場合は体積置換率10~30%で材齢28日において120MPaの圧縮強度を発現した。 混和材料が微粉砕フライアッシュのみではSF混和配合よりも高強度は得られないと判断し、FFA15とSFの併用によるフレッシュ性状および強度発現性改善を検討した。 その結果、SFのみを混和した場合と比較してFFA15を併用すると流動性は向上するが、セメントに対してFFA15を7.5%、SFを2.5%置換した配合ではダイラタンシー性状を示し、これ以上SFを減じFFA15を増すとダイラタンシー性状が顕著に表れることが分かった。また、FFA15とSFの併用は、SFのみ10%置換した配合より強度発現性は概ね向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フライアッシュの微粉砕加工にやや手間がかることが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度までの検討において、微粉砕フライアッシュを用いることにより、シリカフューム代替材料となる可能性の一端を把握することができたが、特に超高強度領域の配合条件においてはシリカフュームにやや劣る結果となった。 そこで次年度は、基本の材料構成は概ねそのままとし、微粉砕フライアッシュがシリカフュームの代替材料として優位性を有して活用可能な強度領域において実際にコンクリートを製造し、耐久性に関する検討を実施する。水粉体比を20および25%において、フレッシュ状態においてダイラタンシー性状を発現しない条件となる微粉砕フライアッシュ体積置換率30%までの範囲にて、凍結融解抵抗性、促進中性化、乾燥収縮・自己収縮などの検討を行い、実用化のための基礎データとする。
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