研究課題/領域番号 |
22K04262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤田 悠介 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40509527)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 深層学習 / アノテーション / 可視化 / 自己教師あり学習 / 弱教師あり学習 / 半教師あり学習 / 異常検知 / 省力化 / DCNN / ファインチューニング / 領域分割 / 可視化技術 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、高性能な深層学習モデルを構築するためには、大量のデータを収集し、データに正確にラベルを付与(アノテーション)して教師データを作成する必要がある。データの収集や教師データの作成は煩雑であり、その省力化や効率化が期待されている。 本研究では、コンクリート構造物や舗装路面の表面を撮影した画像からひび割れを抽出するモデルを構築する問題において、深層学習モデルの学習に用いる教師データの作成(アノテーション)を省力化して高性能なモデルを構築できる、深層学習の新しい適用法を開発する。
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研究実績の概要 |
コンクリート構造物や舗装路面の外観検査の効率化のために、DCNNモデルの構築に使用する教師データ作成のためのアノテーション(分類や領域分割のためのラベル付け作業)を省力化する方法を開発している。 本年度は、アノテーションを省力化する方式として、主に、少量のラベル付きデータと大量のラベルなしデータを用いてモデルを構築する自己教師あり学習に基づく方式の開発(課題①)、および弱教師あり学習の枠組みからアノテーションを省力化させる方式の開発(課題②)に取り組み、各方式の有効性と課題を明らかにした。さらに、異常検知モデルの適用(課題③)について、代表的な5つのモデルの適用を検討し、有効性と課題を明らかにした。 課題①において、コンクリート構造物と舗装路面のデータセットを用いた検証実験により、少量のラベル付きデータによるモデル構築において、ラベルなしの対象データセットを用いた事前学習により、ImageNetや他のデータセットにより事前学習させたモデルと比べて高性能なモデルを構築できることを確認した。課題②では、画像単位のクラスラベルのみを付与された損傷のある画像データセットと損傷のないデータセットを用いて、詳細に損傷位置を抽出するモデルの構築方式を開発した。また、半教師あり学習を併用することにより高精度化・高効率化する手法を開発した。これにより簡易なアノテーションにより詳細な損傷位置を抽出できるモデルを効率的に構築できることを確認した。課題③では、損傷のないデータセットのみを用いた異常検知モデルの性能を検証し、この方式の有効性と課題を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にもとづき、以下の課題①~③の検討を行い、一定の研究成果が得られた。各課題における状況は以下の通りである。 課題①:少量のラベル付きデータと大量のラベルなしデータを用いてモデルを構築する自己教師あり学習に基づく方式を開発した。コンクリート構造物と舗装路面のデータセットを用いた検証実験により、少量のラベル付きデータによるモデルを構築する問題において、ラベルなしの対象データセットを用いた事前学習により、ImageNetや他のデータセットにより事前学習させたモデルと比べて高性能なモデルを構築できることを明らかにした。 課題②:弱教師あり学習の枠組みから、損傷のある画像データセットと損傷のないデータセットを用いて、詳細に損傷位置を抽出できるモデルを構築する方式を開発した。詳細なラベルづけを不要とし、アノテーションを省力化できる効果を確認した。また、半教師あり学習の導入により高精度化・高効率化できることを明らかにした。 課題③:損傷のないデータセットのみを用いた異常検知モデルの性能を検証し、現状の有効性と課題を確認した。 当初の計画通りの研究を実施でき、成果が得られている。今後、本成果の学術論文への投稿や学会発表を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の課題①,②については,さらなる高精度化を目指して継続して取り組む。また、課題①,②の手法の組み合わせによる高効率化も検討する。課題③の手法について,課題②の手法との比較・組み合わせおよび他の研究分野への応用も検討する。また、これまでの成果を学会発表・論文投稿する予定である。
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