研究課題/領域番号 |
22K04273
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
内村 裕 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00416710)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 深層強化学習 / 土砂撒き出し / 建設作業の自動化 / 熟練操作の模倣 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「重機による土木施工のうち、土砂撒き出しのように作業対象の挙動変化に対する大局的な判断が必要な熟練作業を深層強化学習によって自律化すること」である。 ブルドーザによる撒き出し作業のような重機による土木施工の自動化を深層強化学習によって進めるためには「どのようにネットワークモデルを設計すべきか、いかに熟練者の技能を習得するか、どのようなデータセットと報酬(コスト)設定が適切か」が本研究課題の学術的問いであり、この問いに対し理論的および実証的な側面の両面からの検証を行う。
|
研究実績の概要 |
建設労働者の減少・高齢化は喫緊の課題であり、施工機械による建設作業の自動化が期待されているが、不定型な土砂などを扱う土工事の自動化は難易度が高い。特にブルドーザによる土砂の撒き出し・整地作業のように、一旦押し出した土砂を引き戻すことが困難な場合は、目標の出来型形状に至る複数の工程を考慮した大局的な判断が必要であり高度な熟練を要する作業となる。そこで本研究では、土砂の状態変化に柔軟に対応する汎化性能を深層強化学習によって獲得することで熟練作業者に匹敵する重機の自律制御の実現を目指している。当年度においては、下記のように深層強化学習による撒き出し経路の最適化のための手法についての研究を進めた。 1) 深層強化学習の入力となる土砂山の形状をリアルタイムで計測する際のオクルージョンに対し,ディープラーニングによる学習によってデータを補間する手法を提案した。背景を含む施工対象の画像を取得し,機械学習によるセグメンテーションを用いて施工対象の土砂山のみを切り抜き,更にディープラーニングモデルを用いて土砂山の形状を推論した。 2)ブルドーザオペレータから見た土砂山の画像と周辺情報から3次元情報を生成せずに,従来より少ない回数で高い充填率の撒き出しを達成した。 3)連続した撒き出しを想定し,撒き出しを繰り返す過程の充填率を高水準かつ少ない回数で効率的に行うため,目標範囲を更新し連続した撒き出しを繰り返すことのできる経路生成手法を提案した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土砂山のオクルージョンに対する推定精度を向上するとともに,オペレータ視点からの情報のみで撒き出しを行う事を可能にするなど,当初の想定を超えて,実用化を視野に入れた検討にも踏み込んで進めている点で順調に進んでいると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
シミュレーションの所要時間の増大の大きな要因である土砂撒き出しのシミュレーションに対し,初期形状に対するブレードの経路を入力した結果をディープラーニングで学習し,都度のシミュレーションに要する計測時間を削減することを目指す。また,産業用ロボットと使用した撒き出し実験装置を構築し,実際の土砂に対する提案手法の妥当性,精度を検証する予定である。
|