研究課題/領域番号 |
22K04277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 陽 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60724614)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 基本解近似解法 / 二層構造材料 / 波動 / 推定 / 境界条件 / 欠陥形状 / 弾性波動 / 半無限領域 / 層構造 |
研究開始時の研究の概要 |
層構造を有する材料は社会基盤構造物を構成する部材として広く用いられており,その非破壊評価は,社会基盤構造物の維持管理において重要な役割を果たす.本研究では,メッシュフリー法の一つである基本解近似解法を用いて,二層構造材料の界面剥離や界面近傍の劣化(減肉やき裂)を推定する手法を開発する.提案する推定手法は,順解析と同等の計算コストで推定が可能となることが期待できる.
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研究実績の概要 |
当該年度は,2種類の弾性体によって構成される二層構造材料に対する弾性波動問題を対象に,メッシュフリー型の波動解析手法の開発を行った.開発したメッシュフリー型解析手法は基本解近似解法をもとにしており,対象とする問題の近似解を基本解と平面波の重ね合わせによって表現している.開発手法では,近似解として基本解のみならず平面波を重ね合わせることにより,無限長の境界面による波動の反射,透過,および散乱の影響を,適切な解表現によって取り扱うことができる.この開発手法は二層構造材料の界面剥離による散乱解析に適用され,その有効性が確認された. これに加えて,二層構造材料の界面近傍における劣化推定に関しては,いくつかの基礎的な検討を行った.1つ目の検討として,弾性体-剛体から成る二層構造材料の解析モデルに対する境界条件推定手法を開発した.この推定手法は基本解近似解法に基づいており,弾性体と剛体の界面における境界条件(変位固定,表面力フリー)の推定を散乱波の情報から行う.弾性体-剛体から成る二層構造材料では,弾性体と剛体の接合部分は変位固定,剥離部分は表面力フリーの境界条件となる.そのため,開発手法によって境界条件を推定することで二層構造材料の剥離部分を推定することが可能となる.2つ目の検討として,弾性体内部の欠陥による散乱波の情報から欠陥形状を再構成する手法を開発した.この手法も基本解近似解法に基づいた推定手法であり,現時点では,変位固定の境界条件を有する欠陥のみ取扱い可能である.この手法は,前述の境界条件推定手法と組み合わせることも可能である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り,当該年度は,二層構造材料に対する弾性波動問題の散乱解析を実現している.また,劣化推定手法開発の基礎となる境界条件推定手法および欠陥形状再構成手法の開発を実現している.
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の研究成果をもとに,2種類の弾性体によって構成される二層構造材料に対する劣化推定の手法を開発する.推定対象とする劣化として,はじめに界面剥離の推定に取り組む.これは,当該年度に開発した境界条件推定手法をもとにして,推定手法を開発する.その後,減肉の推定に取り組む.これは,当該年度に開発した境界条件推定手法と欠陥形状再構成手法を組合せて開発する.
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