研究課題/領域番号 |
22K04279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山川 優樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (80324010)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 送電鉄塔 / 電力インフラ / 耐災害性 / レジリエンス性 / 構造物の健全性評価 / 損傷・修繕シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,災害後の電力供給の迅速復旧に資する送電鉄塔の損傷点検・修繕に関する基盤技術の高度化への貢献を目指す.具体的には以下の項目(1)~(5)に取り組む.(1) 強風や地震などの過酷自然ハザード事象における設計想定を超える過大荷重作用時の送電鉄塔の損傷・崩壊機構の解明,(2) 損傷状態にある鉄塔の健全性保持程度の定量評価,(3) 災害時に想定される鉄塔の損傷形態・損傷レベルの体系化,(4) 修繕シミュレーション解析による修繕効果の定量評価,(5) 損傷形態に応じた効率的な修繕方法策定指針の提案.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,災害後の電力供給の迅速復旧に資する送電鉄塔の損傷点検・修繕に関する基盤技術を高度化することである. 本年度は,設計想定を超える過大な外的作用時の送電鉄塔の耐荷力喪失程度の評価および損傷機構の解明に取り組んだ.具体的には,各季節において特徴的な強風や着氷雪などを想定した季節荷重が作用した場合,および地震時の地盤変状等に起因する脚部不同変位(基礎不同変位)が発生した場合の2種類の外的作用を設定して,それぞれについて耐荷性能と損傷挙動を評価した(損傷解析). また,損傷状態にある鉄塔の健全性保持程度の定量評価を行った.損傷状態に至った鉄塔について再載荷解析を行い,損傷後耐荷力を指標として,損傷による耐荷力低下程度を定量評価した.その結果,外的作用要因によって鉄塔にみられる部材損傷の発生様態に顕著な違いがみられるとともに,季節荷重の違いや脚部不同変位の方向や変位量によって耐荷力低下程度に顕著な違いを確認するとともに,外的作用要因による鉄塔の健全性喪失挙動の特徴を把握できた. つづいて,損傷した鉄塔について部材交換や脚部不同変位の除去を模擬した修繕シミュレーション解析を行い,修繕効果,すなわち耐荷力回復程度を定量評価した.その結果,修繕後の耐荷力回復程度は修繕方法に大きく依存することが確認された.このことは,損傷要因や損傷状態に応じて適切な修繕方法の選択が重要であることを示唆している. この結果を踏まえて,次年度は効果的な修繕を実現するための修繕方法選択指針の提示へ向けて系統的な検討を行うことを考えている.これにより,損傷状態に基づいて鉄塔の健全性保持程度を客観的に評価可能とし,災害後の点検業務に適用しうる健全性判定指針を構築するとともに,損傷形態に応じた効率的な修繕方法を体系化し,修繕後の回復性能を定量保証した修繕を実現するための修繕方法策定指針の提案を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
各種の季節荷重や脚部不同変位の発生を想定した損傷解析と,部材交換や脚部不同変位の除去を模擬した修繕解析により,送電鉄塔の損傷機構や修繕効果について検討でき,効果的な修繕を実現するための修繕方法選択指針の提示へ向けた知見を得ることができた.このことから,当初の計画以上に進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
脚部不同変位については,単一の脚部に限定的な方向の不同変位を想定した検討に留まっている.複数の脚部に異方向の不同変位が生じた場合の検討がこれから必要である. 修繕解析においては,特定の損傷レベルにある鉄塔に対して所定本数の損傷部材を交換する修繕を想定した検討に留まっている.損傷レベル,部材交換の本数,耐荷力回復程度との関連を明らかにすることは,効率的な修繕方法の判断,ならびに修繕後の回復性能を定量保証した修繕を実現するために重要と考えている.
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