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自律高空帆走発電の実現のためのカイト飛行制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04288
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22020:構造工学および地震工学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

比江島 慎二  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50284526)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード洋上風力発電 / 高空風力発電 / カイト / 海洋エネルギー / 海洋状況把握 / 空中風力発電 / 再生可能エネルギー
研究開始時の研究の概要

現在の洋上風力発電の欠点を克服する自律高空帆走発電を考案した.カイトで捉えた洋上風力で機動的に帆走しながら水流タービンで発電する方式である.蓄電しながら電気を運搬するため高コストの送電ケーブルが不要,機動的に帆走することで膨大な遠洋風力にアクセスできる.設置・送電コストも不要,漁業との競合もない.機動性が高く,燃料不要で長期稼働できるドローン船なので,センサーや観測機器を搭載すれば発電以外の多用途にも活用できる.本研究ではカイトを安定的に8の字飛行させるリアルタイム制御法を開発し,それに基づく自動飛行装置を構築する.さらに実証機を用いて実際の洋上で飛行制御の安定性と発電性能を実証する.

研究実績の概要

1)飛行制御法の確立:カイトを安定的に8の字飛行させるために構築した飛行制御法において,左右旋回の切り替えの際のロール角の反転開始タイミングを任意に設定できるように改良した.従来は8の字軌道の最下点に来た時にロール反転を開始していたが,それよりもやや早めにロール反転を開始することで,より安定した8の字軌道を描けるようになった.
2)自動飛行装置の構築:構築した自動飛行装置において,カイトのテザーを巻き取り・巻き出しするためのリールとそれを駆動するステッピングモーターとの間の伝達機構部で空回りが生じた.意図したロール角が生じないことからこの不具合に気付いた.対策として,伝達機構のプーリをキー溝付きのものに変更するとともに,より溝の深いタイミングベルトを用いることで解決した.また,カイトのテザーの仰角方向の動きに追随することでカイト位置の仰角をセンシングするために取り付けた細長いアームが,制御時の左右テザーの激しい動きによって大きく振動してしまい,過大な仰角や不安定な軌道として検知してしまうことがあった.対策として,アームの長さを短くすることでアーム自体の剛性を高めた.
3)自動飛行装置の検証:改良した飛行制御法と自動飛行装置を用いて,軽トラックの走行によるカイト飛行実験を行った.横風を受けた時などに,制御点を誤検知したり,未検知だったりする現象を1つ1つ突き止め,その対策のための改良を飛行制御プログラムに加えながら飛行安定性を高めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カイト飛行実験を頻繁に繰り返す中で,横風発生時のカイトの挙動などにおける想定外の不具合がいくつか見つかったが,その都度検証しながら,逐次改良を加えることにより,現実の気象環境下においても飛行可能な安定性を着実に高めることに成功している.ただし,走行距離の短い飛行実験しか実施できておらず,今後,より長い走行路を用いた飛行実験を実施することで,さらなる安定性の向上に努めたい.

今後の研究の推進方策

今後,実際の気象環境下でより長時間の8の字飛行に耐えられるように,現在構築済みの飛行制御法に加え,いくつかの有効な制御方式を構築したい.特に,横風の影響に対して飛行を保持できるように,仰角方向の軌道修正制御だけでなく,方位角方向にも何らかの軌道修正を加える方法を検討する.具体的な例としては,方位角方向の限界値を設定し,その方位角範囲の中に8の字軌道を収めるように制御したり,ターゲットを2つ設定し,左右それぞれの旋回時にターゲットを交互に切り替えながら,常にそのターゲットに向かうように飛行制御する方法などが考えられる.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 風による観覧車ゴンドラの回転現象の解明2024

    • 著者名/発表者名
      HIEJIMA Shinji、IDEISHI Yuto
    • 雑誌名

      土木学会論文集

      巻: 80 号: 1 ページ: n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-00149

    • ISSN
      2436-6021
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 振り子式ギャロッピング振動発電のエネルギー取得性能の効率的評価2022

    • 著者名/発表者名
      比江島慎二,三木弟梧
    • 雑誌名

      風工学研究論文集

      巻: 27 号: 0 ページ: 237-244

    • DOI

      10.14887/windengresearch.27.0_237

    • ISSN
      2435-4384, 2435-5429
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Kite-sailing offshore wind energy harvester2023

    • 著者名/発表者名
      比江島慎二
    • 学会等名
      USTP x SixERSJoint Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 自律高空帆走発電のための8の飛行制御法2023

    • 著者名/発表者名
      茨木颯太,比江島慎二
    • 学会等名
      令和5年度土木学会中国支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自律高空帆走発電のカイト翼におけるテーパー形状の効果2023

    • 著者名/発表者名
      中居大地,比江島慎二
    • 学会等名
      令和5年度土木学会中国支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 風による観覧車ゴンドラの回転現象の発生メカニズムに関する実験2022

    • 著者名/発表者名
      出石悠人,比江島慎二
    • 学会等名
      令和4年度土木学会中国支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Hydro-VENUSを利用した次世代洋上風力発電/河川防災IoTシステム2022

    • 著者名/発表者名
      比江島慎二
    • 学会等名
      次世代センサ協議会・海洋計測センサ技術研究会 第4回オンライン定例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] DeepSky構想(自律高空帆走発電プラットフォーム)

    • URL

      http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~hiejima/pg257.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] DeepSky 構想 (自律高空帆走発電プラットフォーム)

    • URL

      http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~hiejima/pg257.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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