研究課題/領域番号 |
22K04303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
里見 知昭 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (80588020)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 地盤情報施工 / バケット掘削 / 掘削実験 / 力覚 / 視覚 / 掘削抵抗力 / 土の破壊形状 / 土の性状 / 掘削 / 地盤強度 |
研究開始時の研究の概要 |
危険を伴う土砂災害復旧には無人化施工が不可欠である。しかし,現状は建設機械に搭載されたカメラに頼っており,画像からは現場の地盤強度が分からないため,有人施工と比べて効率が悪い。応募者は力覚に着目し,パワーショベルのバケットが受ける掘削抵抗力を応用して地盤強度を推定する可能性を見いだしてきた。バケット掘削を応用した地盤強度の推定精度を高めるためには,掘削時に刻々と変わる掘削抵抗力(力覚情報)と土の破壊形状(視覚情報)の相互作用を解明することが不可欠である。そこで本研究では,掘削時の土の破壊メカニズムの解明を通じて,掘削時の力覚・視覚情報を連携した地盤強度推定法を開発する。
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研究実績の概要 |
無人化施工の効率向上には地盤情報の把握が不可欠である.そこで研究代表者は,どの現場でも必ず導入されている油圧ショベルのバケットの力覚情報に注目し,力覚情報から地盤強度を推定する研究を進めてきた.しかし,力覚情報のみでは推定精度を大幅に向上させる難しさを実感してきた.そこで,バケット掘削を応用した地盤強度推定の精度を向上させるためには,掘削時に刻々と変化する掘削抵抗力(力覚情報)と土の破壊形状(視覚情報)の相互作用の解明が不可欠であるという考えに至った.今年度は当初の計画にもとづき,力覚センサおよびビデオカメラを設置したバケット掘削模型実験を行い,特に土の破壊形状を画像処理で定量化して,抽出された視覚指標とコーン指数(建設機械のトラフィカビリティの評価指標)との関係について検討した. 昨年度のバケット掘削模型実験を通じて,掘削時の土の破壊形状(土の破壊せん断線)は土の種類や含水状態に応じて変化することが認められた.そこで,砂質土から粘性土までの幅広い土を対象に,掘削時の土の破壊せん断線を画像処理で検出して,土の性状が画像処理で得られた特徴量に及ぼす影響を明らかにした.そして,画像処理で得られた特徴量とコーン指数との関係はおおむね正の相関関係を示し,視覚情報からコーン指数を推定できる可能性が示唆された.よって,バケット掘削時の力覚情報と視覚情報を連携して地盤強度を推定するための基盤を構築することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画どおり,バケット掘削時の土の破壊形状を画像処理で定量化して,抽出された視覚指標とコーン指数(建設機械のトラフィカビリティの評価指標)との関係について検討した.その結果,画像処理で得られた特徴量とコーン指数との関係はおおむね正の相関関係を示すことを見いだし,視覚情報からコーン指数を推定できる可能性が示唆された.よって,バケット掘削時の力覚情報と視覚情報を連携して地盤強度を推定するための基盤構築につながり,土と機械の力学的相互作用を取り扱うテラメカニクス研究における新たな知見である.以上の研究成果は国内の関連学会およびシンポジウムにて発表および発表予定であることを鑑みて,おおむね順調に進展していると自己評価した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,バケット掘削模型実験および土質力学試験を継続し,バケット掘削時の掘削抵抗力(力覚情報)と土の破壊形状(視覚情報)から地盤強度を推定するモデル構築を行う.推定モデル構築と並行して,X線CT対応型コーン貫入試験を行い,土の性状がコーン貫入時の貫入抵抗の変動と土の変形破壊に及ぼす影響を明らかにし,コーン指数と土の性状との関係を明示する.なお,以上の計画は当初の計画どおりである.
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