研究課題/領域番号 |
22K04308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奈良 禎太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00466442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 岩石 / 透水性 / 鉱物析出 / 二酸化炭素 / カルシウム化合物 / 透水係数 / 岩盤 / き裂 / 炭酸水 / セメント系材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,地球温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)から炭酸水を用意し,セメント系材料から作成する粉末と共に地下に注入することで,CO2を炭酸塩鉱物の形で地下岩盤に固定して地球温暖化抑制の形で環境保全に役立て,岩盤の長期安定性確保や安全なエネルギー資源開発にも繋げる技術を構築することである。 初年度に炭酸水とセメント系材料粉末を生成し岩盤に注入する作業を行う。さらに、初年度から2年目にかけて力学試験を行い、力学特性の変化の有無を調べる。2年目から3年目にかけて、岩盤内の鉱物析出の調査を行い、最終年度である3年目に鉱物析出と力学特性変化の関係を明確にする。
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研究実績の概要 |
岩盤の利用は、人類が生活していく上で必要不可欠である。一般に岩盤にはき裂や空隙が普遍的に存在し,その存在により強度や遮蔽性能の低下が生じる。一方で,き裂や空隙を充填させることができれば,岩盤の強度や遮蔽性能は高まる。また,地球温暖化対策として,地球温暖化ガスであるCO2を岩盤に注入する地中貯留技術が近年考えられている。CO2は地下の温度・圧力下では,密度が高く粘性が低い超臨界状態となり,岩盤中の微細な空隙やき裂に浸透できる。ただし,それにより岩盤の破壊を促進することが懸念される。一方,CO2から炭酸水を作り,炭酸イオンの状態で地下に注入すれば,超臨界CO2の生成量は大きく低減できる。さらに,カルシウムイオンが豊富に存在する条件を作り出せば,炭酸イオンとカルシウムイオンの化学反応による鉱物析出が生じ,き裂や空隙の充填が実現できる。これは岩盤の強度・遮蔽性能向上に繋がる。これらを考慮して,炭酸水とセメント系材料から作る粉末を同時に注入して,岩盤内のき裂・空隙を充填し岩盤の遮蔽性能を向上させる技術を開発することを目的とした。 カルシウムイオン濃度が高い水で多孔質な岩石(凝灰岩)を飽和させた後に透水試験を行うことを繰り返した結果,岩石の透水係数が時間の経過とともに低下する傾向が認められた。さらに,カルシウムイオン濃度の高い水で飽和させた後に炭酸水で飽和させて透水試験を行うことを繰り返した場合,より明確な透水係数の低下の傾向が認められた。試験の結果より,カルシウム化合物が岩石内で析出して透水係数を低下させることが可能であることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,二酸化炭素を鉱物固定することによって岩盤の透水特性を低下させることを目的としている。本年度はカルシウムイオン濃度が高い水中環境下を作り、そこに岩石を保存することによって、岩石の透水特性がどのように変わるかを調査したが、炭酸イオン濃度が高い水(つまり炭酸水)を同時に使用することによって,岩石の透水特性の変化を明確に出せることがわかり、特に透水係数の低下、つまり遮蔽性能の向上に繋げることができたため,研究の狙いはおおむね順調に見いだせていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,セメント系材料の粉末のように,カルシウムイオンを水中で供給できるような材料を同時に用いて,岩石の遮蔽性能を向上させるような技術を見出すことを考えている。そこで今後は,セメント系材料の粉末を用いた透水試験を行うことによって,岩石の透水係数を変化させることができるか否かについて,実験によって解明したいと考えている。
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