研究課題/領域番号 |
22K04318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 全太郎 九州大学, 工学研究院, 助教 (70735985)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 表層崩壊 / 植生 / 機械学習 / 災害リスク評価 / 地盤情報 |
研究開始時の研究の概要 |
地震・豪雨によ山間部斜面の表層崩壊による災害リスクを広域的に評価し,人的被害をゼロにするソフト対策を目的に,植生による地盤の補強効果を考慮した「気候変動対応型表層崩壊リスクマップ」の構築を行う. 衛星画像・空中写真から得られた植生の色・分布と植生統計データを用いてニューラルネットワーク,分類木等による機械学習を行い,表面情報から根系の分布及び地盤補強効果を推定する手法を確立する. 九州地方で起こった近年の豪雨災害を基に根系の補強効果を考慮した不飽和斜面安定解析を行い,崩壊危険性がある斜面を推定する.加えて,将来の気候変動による降雨量増加を想定した斜面の健全度を評価できる革新的なシステムを構築する.
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研究実績の概要 |
R4年度は,気候変動対応型表層崩壊リスクマップの構築を目的に,機械学習を用いた土砂災害警戒基準線 (CL線) の推定を行った.現在運用されている土砂災害警戒情報は,過去の斜面災害とその時の降雨情報のみをもとに発令基準が定められており,地形や地質,植生等に関する情報が考慮されていないという問題点があるため,標高・傾斜・地質などの地理的情報と,過去に降った降雨の情報,植生の有無といった計85種類の情報を説明変数として,機械学習により「60分間積算雨量」および「土壌雨量指数」の推定を行った.機械学習のアルゴリズムには,ランダムフォレスト (以下, RF) , XGBoostおよび LightGBMを用いて,各アルゴリズムの精度を比較した.その結果,60分間積算雨量の推定について,次のことが明らかとなった.1) 上記の3つの手法の中では,XGBoostを用いると検証データに対する決定係数が最も大きくなり,その際の説明変数は20個であった.2) XGBoostで抽出された説明変数の中には,「植生群」も含まれ,植生の有無や種類が現行の60分間積算雨量の選定に影響を与えていることが明らかとなった. また,土壌雨量指数について,次のことが明らかとなった.1) 上記3つの手法の中では,LightGBM を用いると検証データに対する決定係数が最も大きくなり,その際の説明変数は50個であった.2) XGBoostで抽出された説明変数の中には,「植生群」も含まれ,植生の有無や種類が現行の土壌雨量指数の選定に影響を与えていることが明らかとなった. これらの成果を2022年度には査読付き論文2編,その他論文2編にまとめた.また,2件の学会 (うち国際会議1件) で発表した.また,2023年度はすでに3件の国内学会・シンポジウム発表,1件の国際学会発表が決定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R4年度は機械学習アルゴリズムの構築,地理情報,降雨情報および植生情報を入手し,数種の学習器においてその精度を検証することができ,植生群が重要なパラメータであることが明らかとなった.R4年度中に入手予定であった衛星写真と,植生に関するNDVI値はコロナ禍の影響で入手が遅れたが,進捗状況はおおむね順調と考える.
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は衛星写真から得られる情報と,植生の種類や活性度を推定できるNDVI値,現存植生図を構築したモデルに導入し,モデルの精度の向上を図る.加えて,得られたモデルに将来想定される降雨量をインプットし,出力される「60分間積算雨量」および「土壌雨量指数」と,現行のCL線で設定されている値を比較し,設定値が適切かどうかを判断する.
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