研究課題/領域番号 |
22K04354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 克弘 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70222809)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 注意 / 注意機能 / 注意検査 / 運転挙動 / ドライビング・シミュレータ / 状態不安 / 特性不安 / 注意制御 / 注意コンポーネント |
研究開始時の研究の概要 |
1.実行注意およびその下位尺度である行動抑制,注意制御と特性不安のパス図に,運転挙動と状態不安を明示的に取り扱うことで,仮説を構築する. 2.車両および運転者挙動は室内走行実験により取得する.また,各心理指標は,既往研究に準じた質問紙調査により取得する.そして,得られたデータを用いて構築した仮説を検証する. 3.注意コンポーネント標準注意検査法を準用し,走行実験と同時に実施可能な調査手法を検討する.そして,2.と同様の実験と併せて注意コンポーネントの調査を実施する.そして,注意制御と注意コンポーネントとの関係性を明らかにする. 4.成果を統合し,新たな視点での安全運転啓発・教育手法について考案する.
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研究実績の概要 |
研究計画書に記載した通り,日本高次脳機能障害学会が考案した標準注意検査法(以下,CAT)に準じて,走行実験と同時に,注意機能調査を実施した.予定を前倒しを行い,2022年度の実験時にも注意機能調査を実施しており,その結果を踏まえ,調査方法を改良している. 得られたデータを用い相関分析を行った結果,一定時間集中して作業を継続する機能が低いほど走行位置を維持できないという関連性を得た.また不要な刺激を抑制し本来の標的に意識を向ける機能が低いほど標識の視認が遅れるという関連性を得た.さらに複数の作業を同時に実施する機能が低いほど前方注視率が低くなるという関連性を得た.上記の結果に加え,各機能が相対的に低い被験者が一定割合存在することを踏まえ,標識・情報板のデザインおよび配置を見直す必要性を把握した. ここで,注意機能が運転挙動と関連性を持つことが示されたため,当初の研究計画には無いが,CAT以外の検査結果と運転行動との関係も分析した.対象とした検査は,Trail Making Test(以下TMT,脳の状態と機能を評価するために使用される神経心理学的検査),Voluntary Attention Control Scale(以下VACS,能動的な注意制御能力を測定する検査),かなひろいテスト(早期認知症をスクリーニングするための検査)である.これらの結果を比較することにより,運転行動との関連性が高い検査手法の特定を試みた. 各注意検査において選択性注意(selective attention)と運転挙動との関係性を調べた結果,selective attentionが高いほど標識の読み取り時間が短くなるという関係について,各注意検査において一部相関が見られており,TMT-Aとの関係がもっとも強くその傾向を把握した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り,今年度は,研究計画書に記載した通り,日本高次脳機能障害学会が考案した標準注意検査法(以下,CAT)に準じて,走行実験と同時に,注意機能調査を実施した. 得られたデータを用い相関分析を行った結果,一定時間集中して作業を継続する機能が低いほど走行位置を維持できないという関連性を得た.また不要な刺激を抑制し本来の標的に意識を向ける機能が低いほど標識の視認が遅れるという関連性を得た.さらに複数の作業を同時に実施する機能が低いほど前方注視率が低くなるという関連性を得た. このように,注意機能が運転挙動と関連性を持つことが示されたため,当初予定にはなかったが,CAT以外の検査結果と運転行動との関係も調査・分析した. 対象とした検査は,Trail Making Test(以下TMT,脳の状態と機能を評価するために使用される神経心理学的検査),Voluntary Attention Control Scale(以下VACS,能動的な注意制御能力を測定する検査),かなひろいテスト(早期認知症をスクリーニングするための検査)である.これらの結果を比較することにより,運転行動との関連性が高い検査手法の特定を試みた. 各注意検査において選択性注意(selective attention)と運転挙動との関係性を調べた結果,selective attentionが高いほど標識の読み取り時間が短くなるという関係について,各注意検査において一部相関が見られており,TMT-Aとの関係がもっとも強くその傾向を把握した.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載した通り,2022年度,2023年度の成果を統合し,これまでにない視点での安全運転啓発・教育手法について提案する.なお,提案する手法の信頼性を高めるためには,データ数の拡充が必要であり,このための調査を2023年度と同様の手法で実施する.
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