研究課題/領域番号 |
22K04360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
浅田 拓海 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (50634680)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | AI / IRI / ひび割れ率 / マルチモーダルAI / 説明可能なAI / 維持管理 / 舗装マネジメント / 積雪寒冷地 / 深層学習 / 救急搬送 |
研究開始時の研究の概要 |
救急車の搬送時間の短縮は,極めて重要な課題である.一方で,走行中の車両振動は患者の負担となり,振動を抑えるために減速すれば,その分搬送時間が増えるという問題もある.これらの解決に向けて,申請者は,救急搬送と路面性状のデータを用いて,舗装に着目した救急車挙動の分析を進めている.その結果から,両データを統合的に揃えて統計学的アプローチから分析できれば,救急車の車両振動と搬送時間の低減につながる方策を提案できると考えた.そこで,本研究では,申請者が開発したAI型路面測定技術によりデータを拡充し,統計解析やシナリオ分析を行い,地域の救急医療に資する舗装維持管理方策を提案する.
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研究実績の概要 |
救急車の搬送時間の短縮は,極めて重要な課題である.一方で,走行中の車両振動は患者の負担となり,振動を抑えるために減速すれば,その分搬送時間が増えるという問題もある.これらの解決に向けて,本研究では,救急搬送と路面性状のデータを用いて,舗装に着目した救急車挙動の分析を進めている.その結果から,両データを統合的に揃えて統計学的アプローチから分析できれば,救急車の車両振動と搬送時間の低減につながる方策を提案できると考える.そこで,本年度では,まず,路面性状調査を低コストかつ高頻度に実施するために,市販のアクションカメラとAIを用いた簡易型の路面測定技術を構築した.この技術では,救急車走行と相関がある路面性状として,ひび割れ率,平坦性,横断ひび割れ頻度を同時に計測できる. ひび割れ率に関しては,車載カメラで撮影した画像にAI(U-net)を適用することで自動かつ高精度に算出できる.平坦性については,上記のひび割れ率に加えて,カメラ内蔵センサーで計測した上下方向の加速度情報,走行速度を入力とするマルチモーダルAIを構築し,従来指標であるIRI(International roughness index:国際ラフネス指数)を精度良く推定できる.横断ひび割れ頻度については,舗装診断士による教師データから学習した説明可能なAIにより検出できる. また,本技術を用いて,北海道内の一般国道および道道を対象に路面性状調査を実施し,データベースを構築した.さらに,現在揃っているデータを用いて,救急車の搬送時間・車両振動の推定モデルの構築を完了した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初のスケジュールでは,本年度では,救急車プローブ調査,路面性状調査,ヒヤリング調査を実施予定であった.路面性状調査については,測定技術の改良が必要となったことから調査自体は若干の遅れが生じている.救急車プローブ調査やヒヤリング調査については新型コロナ対策の状況から医療機関との連携が進んでいない状況である.調査後に統計解析を行う予定であるが,先んじて,現在揃っているデータを用いて,救急車の搬送時間・車両振動の推定モデルの構築を完了させ,遅れを取り戻しているところである.
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今後の研究の推進方策 |
路面性状調査については,測定技術が改良され,さらに多くの路線で調査が完了している.一方,救急車プローブ調査およびヒヤリング調査は,新型コロナ対策状況を見て,準備ができ次第,即座に開始する予定である.これらの調査の後,データを揃えて,搬送時間・車両振動の推定モデルを再度構築し,舗装維持管理方策の提案につなげる.
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