研究課題/領域番号 |
22K04367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
辻井 利昭 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (60344256)
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研究分担者 |
成岡 優 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (10649073)
藤原 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主幹研究開発員 (40358651)
柄澤 孝一 長野工業高等専門学校, 情報エレクトロニクス系, 教授 (80249789)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GNSS(衛星航法) / アレーアンテナ / スプーフィング / 慣性計測装置(IMU) / マルチパス / ソフトウエア受信機 / 電波干渉 / 信号識別 / ドローン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、宅配や自動農業・建築用ドローン等小型無人機のニーズが陸海空を問わず高まっているが、その移動範囲は都市部が多く、GNSS信号は電波干渉を受け測位精度は大幅に劣化する。また、携帯基地局の電波が干渉源となり衛星信号が障害を受ける事例が報告されており、超情報化社会を迎えるに当たって5G通信インフラ等が衛星測位環境を悪化させることが懸念される。本研究では、GNSSが我々の生活から切り離せない中、悪化しつつある電波環境においてGNSSの利用を維持・発展できるのか、そのための技術課題は何かを明らかにし、課題解決法の研究開発を行い、進展する小型無人機等の市街地における高信頼・高精度航法の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,市街地における高信頼・高精度航法の実現を目指し,(1)アレー型GNSSアンテナによる干渉信号の検知およびその抑制技術,(2)機械学習による電波環境把握技術,(3)電波に依らない慣性計測装置(IMU)との複合技術,を主として研究する.
キー技術となる(1)アレーアンテナ技術においては,MUSIC法を応用して所望波である衛星信号や不要波である反射波・スプーフィング信号の到来方向を6素子アレーアンテナで推定することが出来た.アレーアンテナは基本的に素子数未満の信号源の方向しか推定できないが,GNSS信号の捕捉処理(逆拡散)をあらかじめ行なうことにより,所望の衛星番号以外の信号を雑音化することで,10機以上の航法衛星が存在する場合でも方向推定ができることが特徴である.さらにDCMP法(方向拘束付電力最小化法)を用いて,衛星方向を保護しつつ不要波にヌルを向けるアルゴリズムを開発したが,効果の検証は不十分なため次年度の課題である. (2)機械学習については,見通し外信号(NLOS)を検出し,信号に重み付けを行なうことにより測位精度を向上させることができた.ただし,静止受信機に対しては高いNLOS検知率が得られたが,移動体については改良を要することが分かった. (3)GNSS/INS複合航法については上記重み付け手法を適用するアルゴリズムを開発したが,十分な効果は得られておらず,次年度にアルゴリズムや実験手法の改良に取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のキー技術である,アレーアンテナによる信号到来方向推定について,所望波である衛星信号および不要波である反射波・スプーフィング信号の到来方向推定の実現目処が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
アレーアンテナによる信号到来方向推定について,より高度な同期型スプーフィング信号の到来方向推定の研究を進める.また,マルチパスやNLOS信号の識別技術を改良し,IMUとの複合に取り組む.
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