研究課題/領域番号 |
22K04369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
齊藤 充弘 福島工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (20353237)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 東日本大震災 / 原発事故 / 避難者等受け入れ / 人口減少 / 人口構造 / 産業構造 / 土地利用 / 市街地整備 / 広域避難 / 人口流出 / 人口流入 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原発事故の発生は,県内全域への人口の避難,帰還,移住を引き起こした。避難者等を受け入れた市町村では短期間で人口を受け入れたものの,それが定住することなく短期間のうちに流出しており,土地利用や都市施設整備に与えた影響が大きく,原発事故の影響として捉える必要がある。 本研究は,福島県内で避難者等を受け入れた市町村を対象として,短期間でどこにどのように人口を受け入れたのかを明らかにすることを目的とする。また,流入人口が定住することなく短期間のうちに流出した過程を土地利用変化や都市施設整備に着目して検証することを通して,災害発生や人口減少を考慮した持続可能な市街地整備にむけた課題を提示していく。
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研究実績の概要 |
本研究は,2011年3月の福島第一原発での事故発生により福島県内で避難者等を受け入れた市町村を対象として,第一に短期間でどこにどのように人口を受け入れたのかを明らかにすることを目的とするものである。県内59市町村単位で2010年,2015年,2020年の国勢調査よりデータベースを作成して経年分析をすると,2010-2015年に一時的に人口が増加した市町村(4)や人口減少率が緩和した市町村(18)があり,これらの市町村を原発事故発生による避難者等を受け入れた市町村と定義して,世帯数,性別人口,産業大分類別就業者数,年齢5歳階級別人口を指標として経年分析した。また,小地域単位でその変化を調査・分析した。 本年度は,前年度に実施したいわき市での調査・分析方法に倣う形で,2010-2015年に一時的に人口が増加した他の3市町を対象とした人口構造変化についての調査・分析により,性別,年齢,産業大分類別就業者数に着目してみると,全体として示す人口の増加は一時的な増加に止まっており,定住にむけた人口構造の形態とはなっていないことがわかった。また,小地域単位にみる人口変化パターンの導出とその分布形態より,応急仮設住宅や復興公営住宅は異なる地域に分散して建設されており,復旧・復興期を通して人口が一時的に増加したり減少したりする地域が対象市町内にモザイク状に分布していることがわかった。このことについて,復旧・復興計画やその後の総合計画の内容を分析すると,原発事故発生後の避難者等の受け入れに伴う人口や都市構造の変化については,復興計画やその後に策定される総合計画等において対応方針は示されているものの,具体的な取り組み・事業としては位置づけられていないことがわかった。同時期に人口減少率が緩和した市町村においても,人口構造や小地域単位にみる人口変化パターンの分布には同様の変化や特徴があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までは新型コロナウィルス感染拡大の影響により,現地調査を実施することが難しい状況にあったため,なかなか現地調査の着手・実施をすることができなかった。コロナ禍の状況の緩和をみながら調査を実施してきたが,まだその遅れを取り戻す状況には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
人口が一時的に増加した3市町を対象とした人口構造および小地域単位にみる人口変化パターンの分布に関する調査・分析を精査し,そこに経済センサスを用いて産業大分類別事業所数と従業者数についても同様に調査・分析していく。そのうえで,人口構造と産業構造の変化の関係性を分析していく。また,人口減少率が緩和した市町村を対象としても同様の調査・分析を行い,短期間で人口が流出入した市町村の特徴を明らかにしていく。
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