• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

廃棄物を含む未利用資源活用による電解晶析法での下水中リンの析出性向上

研究課題

研究課題/領域番号 22K04378
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22060:土木環境システム関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

高部 祐剛  鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (70625798)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードリン / 余剰汚泥 / 電解晶析法 / 汚泥濃縮 / 下水
研究開始時の研究の概要

電解晶析法を用いた下水からのリン回収システムにおけるリン析出性の向上とシステムのコスト削減の実現を目指す。具体的には、電解晶析法により廃棄物を溶解させ、リンの析出に必要となる重金属を下水に供給することで、リン析出性の向上を図る。また、電解晶析法において陽極から発生する水素ガスによる燃料電池発電を組み込んだ半電力独立型電解システムを構築することで、コストの削減を図る。

研究実績の概要

下水処理場での余剰汚泥を対象に、電解晶析法を利用したリンの析出に関する連続実験を実施した。実験の際、陽極の周辺に粉砕したシジミの貝殻を高密度に存在させるよう工夫を施した。また、実験装置(有効容積:1 L)内の水理学的滞留時間は30分とした。通電電流値を0.5 Aとして実験を行った結果、陽極で発生する水素イオンにより貝殻が溶出し、カルシウムイオンが水中に供給されることで、リンが効率的に析出し、リン酸イオンの90%が除去された。また、析出したリンは、実験装置下部に設置した流出口で回収されることが明らかとなった。一方で、汚泥は、陽極・陰極それぞれから発生する酸素ガスおよび水素ガスにより実験装置内上部の水面へ浮上濃縮され、濃縮汚泥の蒸発残留物(30 g/L)は元の汚泥での値の5.5倍となった。このことから、粉砕したシジミの貝殻を高密度に存在させるよう工夫を施した電解晶析法により、リンの析出と汚泥濃縮(生物学的下水処理において必須の工程)を同時に達成可能であることを提案した。また、析出したリンと濃縮した汚泥が別々の空間に存在することから、析出したリンが理論的に回収可能であることを明らかとした。さらに、通電電流値を0.25 Aとして同様の実験を行った場合、汚泥の一部が実験装置の下部に沈降したこと、また、通電電流値を0.75 Aとした場合、リン酸イオンの除去が向上しなかったことを踏まえ、水理学的滞留時間30分の条件のもとリンの析出と汚泥濃縮を同時に達成するには、通電電流値を0.5 Aとすることが適切であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画に含まれていなかったリンの析出と汚泥濃縮の同時達成を可能とする電解晶析法の開発に成功したため。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、陽極から発生する水素ガスによる燃料電池発電を組み込んだ半電力独立型電解システムを構築し、システムのコスト評価を行うことを目標とする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Simultaneous phosphorus precipitation and sludge thickening by electrolysis with an anode covered by bivalve shells2023

    • 著者名/発表者名
      Takabe Yugo、Ida Kotaro
    • 雑誌名

      Water Research

      巻: 247 ページ: 120789-120789

    • DOI

      10.1016/j.watres.2023.120789

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced electrochemical precipitation of phosphorus in wastewater by the addition of drifting <i>Corbicula</i> shells2022

    • 著者名/発表者名
      Takabe Yugo、Uchida Rika、Yoneda Arisa
    • 雑誌名

      Water Science and Technology

      巻: 86 号: 10 ページ: 2749-2763

    • DOI

      10.2166/wst.2022.377

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 下水からのリン回収を目的とした貝殻充填型電解晶析法での操作条件の検討2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤達明、高部祐剛、伊田幸太郎
    • 学会等名
      第58回日本水環境学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 下水を対象とした電解晶析法での貝殻を利用したリン析出の促進2023

    • 著者名/発表者名
      伊田幸太郎、高部祐剛、内田莉香、米田有沙
    • 学会等名
      令和5年度土木学会中国支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 貝殻を利用した電解晶析法におけるリン析出率の向上2023

    • 著者名/発表者名
      伊田幸太郎、高部祐剛、内田莉香、米田有沙
    • 学会等名
      第60回下水道研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 下水におけるリン析出効率の飛躍的促進を可能とする貝殻充填型電解晶析法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      高部祐剛、伊田幸太郎
    • 学会等名
      第60回環境工学研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 炭酸をカルシウム源とした電気分解による下水からリン回収2023

    • 著者名/発表者名
      伊田幸太郎、高部祐剛、内田莉香、米田有沙
    • 学会等名
      第57回日本水環境学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [産業財産権] リン回収装置及びリン回収方法2023

    • 発明者名
      高部 祐剛
    • 権利者名
      高部 祐剛
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-152739
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [産業財産権] リン回収装置及びリン回収方法2022

    • 発明者名
      高部 祐剛
    • 権利者名
      高部 祐剛
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi