研究課題/領域番号 |
22K04384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
谷口 省吾 大阪産業大学, 工学部, 講師 (40425054)
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研究分担者 |
橋口 亜由未 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (00805195)
濱崎 竜英 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (50340617)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 生分解性プラスチック / 熱分解GC/MS / 下水 / 好気性処理法 / 嫌気性処理法 / 熱分解GCMS / 活性汚泥法 / UV処理法 / 促進酸化法 |
研究開始時の研究の概要 |
生分解性プラスチックへの代替はプラスチック汚染低減につながる有効な方法である。しかし,水環境中においては容易に分解するものではない。また,分解したとしても水環境への有機物による汚染につながるため下水処理などの廃水処理によって除去されることが望ましい。そこで,本研究では①都市下水処理過程における生分解性プラスチックおよび分解物の定性と定量には熱分解GC/MSを用いた分析方法を確立し,その除去特性および(分解するものについては)分解過程を推定する。②生分解性プラスチックの分解処理に最適な活性汚泥の選定を行い,分解生成物の分解除去のためのUVとオゾンの有効性を確かめ,最適化した処理技術を提案する。
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研究実績の概要 |
この研究は、都市下水処理における生分解性プラスチックとその分解物の定性・定量分析を行うものである。その手段として、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用い、除去と分解過程の推定を試みる。さらに、生分解性プラスチックの分解処理に適した生物処理法の選定と、物理化学的処理法であるUVとオゾンの有効性を確認し、最適化された処理技術の提案を目指して次の課題に取り組んだ。 熱分解GC/MSによる生分解性プラスチックの測定 : 生分解性プラスチックの測定条件の検討を行った。対象となる生分解性プラスチックの原料はポリ乳酸ポリマー(PLA)、セルロース、酢酸セルロース、デキストランである。これらの熱分解条件は、600℃で1分間で分解が可能であった。GC/MSの分析においては、無極性カラムを用いることで対象物質のピーク形状が良好であった。全ての物質はスキャンモードで検出可能であった。 活性汚泥法による生分解性プラスチックの分解 : 活性汚泥法を用いて生分解性プラスチックの分解について基礎的な実験を行った。デキストランについては、水中の全有機炭素(TOC)濃度の変化が見られ、わずかに分解することが確認された。しかし、他の生分解性プラスチックについては分解が確認されなかった。分解を促進するため、分解微生物量(MLSS)を増加させ、長期間の実験も行ったが分解は確認できなかった。 嫌気性消化法による生分解性プラスチックの分解 : 嫌気消化による生分解性プラスチックの分解については、PLA,セルロースとデキストランについては、固形物量の減少と消化によるガス化が観測され、実験期間中に分解が進行していたことが明らかになった。ガスの成分分析では二酸化炭素とメタンが検出されたが、試料の採取方法に課題があり、酸素も検出されたため、正確な分析が行えなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、熱分解GC/MSによる分析方法の確立と、下水処理過程における生分解性プラスチックの除去特性の解明を目的としていた。熱分解GC/MSによる測定については、対象とした物質の測定が可能であり、基礎的な分析条件の確立は達成されたと言える。
除去特性については、好気性処理法と嫌気性処理法で検討を進めた。好気性処理では除去が困難であることが明らかとなった一方、嫌気性処理では分解が可能であることが示された。また、嫌気性処理におけるガス化による資源化の可能性についても示唆された。この結果は、生分解性プラスチックの下水処理における新たな視点を提供し、その処理法の開発に貢献する可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗に基づいて述べると、熱分解GC/MSによる分析方法は、基礎的な条件を確立できたと言える。だが一方で、下水試料中に低濃度で存在していると予想される生分解性プラスチックの検出可能性については、まだ確認が取れていない。これに対応するためには、さらなる高感度化が必要であると考えられる。
排水処理法としては、今年度は微生物処理についての検討を行った。その結果、好気性処理では分解による除去は困難であることが判明した。しかし嫌気性処理では分解が可能であることが示唆された。これらの結果から、2年目以降は硫酸塩還元菌による分解実験の検討を行いたいと考えている。同時に、物理化学的処理法についても検討を進めていく予定である。
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