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細菌及び藻類より回収したバイオポリマーの特性及び膜閉塞抑制手法の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K04389
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22060:土木環境システム関連
研究機関国立保健医療科学院

研究代表者

三好 太郎  国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80587791)

研究分担者 木村 克輝  北海道大学, 工学研究院, 教授 (10292054)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード膜ファウリング / バイオポリマー / 膜ろ過 / 藻類 / 細菌 / 凝集 / 表流水
研究開始時の研究の概要

膜ファウリングは膜ろ過における最重要課題の一つである。これまでに表流水を原水とした場合の膜ファウリングには有機炭素検出型サイズ排除クロマトグラフィー(LC-OCD)で評価されるバイオポリマーが大きく寄与していることが報告されている。前処理を通じたバイオポリマーの膜ろ過に対する影響低減が重要である。実水道原水でのバイオポリマーの主要な起源として藻類及び細菌が想定される。本研究では、培養した藻類及び細菌よりバイオポリマーを回収し、特性解析と連続膜ろ過試験を実施する。得られた結果に基づき、起源を異にするバイオポリマーの特性、膜ファウリング発生能及び膜ファウリング抑制に適した前処理条件の解明を目指す。

研究実績の概要

今年度の検討では、藍藻類2株(Microcystis aeruginosa及びPseudanabaena sp.)と緑藻類1株(Tetradesumus acuminates)、更には細菌2株(Buttiaxella agrestis及びPiscinibacter aquaticus)から回収・精製したバイオポリマーを用いた凝集膜ろ過実験を実施した。凝集剤添加率、凝集pHを変化させながら膜ろ過実験を行い、バイオポリマー特性と凝集による膜ファウリング抑制効果の関連を検討した。また、Pseudanabaena sp.を用いて、培養日数の異なる藻類より回収したバイオポリマーの膜ファウリング発生ポテンシャルの差異についても検討を行った。
得られた実験結果より、バイオポリマーの中でも、特に分子量の大きい画分を有効に除去することのできる凝集条件において、膜ファウリング抑制効果が大きかった。凝集条件との関連では、弱酸性条件(pH 5.5)において凝集を実施することで高分子バイオポリマーの除去効果並びに膜ファウリング抑制効果が大きくなる傾向があることが明らかとなった。藻類の培養日数の影響としては、培養日数の短い条件において回収されたバイオポリマーにおいて、単位有機物量当たりの膜ファウリング発生ポテンシャルがわずかに高くなることが明らかとなった。培養日数が異なることで、回収したバイオポリマーの特性も異なっており、そのような差異が膜ファウリング発生ポテンシャルの差異に影響を及ぼしていたものと考えられる。培養期間に関わらず、適切な条件で凝集を行うことで膜ファウリングの発生を抑制することが可能であったが、膜ファウリングの抑制に効果的な凝集条件が異なる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画において、2023年度に実施する予定であった精製バイオポリマーを用いた膜ろ過実験を繰り返し実施することができたことに加え、回収したバイオポリマーの特性と膜ファウリング発生ポテンシャル並びに好適な前処理条件の関連性について知見を集積することができた。当初計画していた検討は順調に進めることができていると考えられるため、研究の進捗状況は概ね良好であると判断できる。

今後の研究の推進方策

引き続き、培養した生物より回収し、精製を行ったバイオポリマーを用いた検討を通じ、バイオポリマーの特性と膜ファウリングの関連に関する知見をさらに集積していく予定である。また、当初計画通り、実水道原水(河川水や湖沼水)に対し、精製したバイオポリマーを添加した試料で凝集膜ろ過実験を行い、天然有機物をはじめとする水道原水中の有機成分がバイオポリマーに起因する膜ファウリングに対して及ぼす影響に関する検討にも着手する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 藻類及び細菌より回収したバイオポリマーの膜ファウリング発生ポテンシャル及び 前凝集による膜ファウリング抑制効果2024

    • 著者名/発表者名
      井出賢志,三好太郎,島﨑大,浅田安廣,木村克輝,徳安真理奈,増田貴則
    • 学会等名
      第58日本水環境学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Pseudanabaena sp. 由来の有機物による 膜ファウリングに対する前凝集処理の効果2023

    • 著者名/発表者名
      井出賢志,三好太郎,島﨑大,木村克輝,浅田安廣,徳安真理奈,増田貴則,秋葉道宏
    • 学会等名
      令和5年度日本水道協会全国会議
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The effect of pre-coagulation on ultrafiltration membrane fouling caused by organic matter derived from Tetradesmus acuminatus2023

    • 著者名/発表者名
      T. Miyoshi, K. Ide, Y. Asada, D. Simazaki, M. Tokuyasu, K. Kimura, M. Akiba, T. Masuda
    • 学会等名
      9th IWA-ASPIRE Conference & Exhibition 2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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