研究課題/領域番号 |
22K04398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
衣笠 秀行 東京理科大学, 理工学部建築学科, 教授 (00224999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | RC建物 / 耐震性能評価 / レジリエンス / 修復時間 / 機能低下 / 修復性 / レジリエンス性能 / 修復作業 |
研究開始時の研究の概要 |
兵庫県南部地震(1995)や東北地方太平洋沖地震(2011)などの地震被害から、地震に対する経済活動や都市機能の脆弱性が明らかになってきた。一方、今後30年で高い確率で首都直下地震の発生が予想されている。これを背景に、地震時における建物の機能低下に対する耐性(レジリエンス性能)評価法の開発の重要性が認識されるようになった。本研究は、建物のレジリエンス性能評価法の開発とこれを用いた建物性能の再評価により次の2点を明らかにするものである。 ・首都東京を構成する建物群の機能維持の観点から見た耐震性能(レジリエンス)の現状は? ・世界的な経済活動の場である大都市・東京の建物に求められる耐震性レベルとは?
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、機能低下量を修復作業面積で表現したレジリエンス性能評価モデルの構築を行い、次の3つの項目、「レジリエンス性能の基本的性質(機能低下量と修復時間の増加挙動)」、「建物の構造性能(剛性・耐力・靭性・崩壊形)とレジリエンス性能との関係性」、「現行耐震基準で設計される建物のレジリエンス性能の現状」を明らかにすることにある。この目的のため、具体的には次の4項目、①「部材および層の損傷評価モデルの構築」、②「修復時間・機能低下量の統一的評価モデルの構築」、③「修復時間・機能低下量の増加挙動の分析」、④「現行基準建物のレジリエンス性能の分析」に取り組んでいる。 初年度である本年は、主に、①および②についての研究活動を行い、ほぼ計画通りの次の研究成果を上げることが出来た。 ①「部材および層の損傷評価モデルの構築」:損傷を受けた部材および層における、変形と労務量の関係性についての分析を行い、損傷(変形増加)が生じさせる労務量の算出モデルの構築を行った。労務量は、地震時の変形から建物のレジリエンス評価を行う際に必要となる基本情報である。この成果により今後、各種建物のレジリエンス評価が可能となる。 ②「修復時間・機能低下量の統一的評価モデルの構築」:各種の建物モデル(純フレーム・方立壁付きフレーム・袖壁付フレーム)を対象として、地震動入力により建物に生じる、修復時間および機能低下量(修復作業面積)の算出を試み、各建物モデルおけるレジリエンスの評価が可能であることを示すとともに、その性質について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題では、具体的には次の4項目、①「部材および層の損傷評価モデルの構築」、②「修復時間・機能低下量の統一的評価モデルの構築」、③「修復時間・機能低下量の増加挙動の分析」、④「現行基準建物のレジリエンス性能の分析」に取り組んでいる。研究計画では、初年度である本年は、主に、①「部材および層の損傷評価モデルの構築」および、②「修復時間・機能低下量の統一的評価モデルの構築」についての研究を行うことになっているが、これらについてほぼ満足のできる成果を上げることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
初年度である本年は、主に、①「部材および層の損傷評価モデルの構築」、②「修復時間・機能低下量の統一的評価モデルの構築」についての研究に取り組んだ。得られた成果をもとに、今後は予定通り、③「修復時間・機能低下量の増加挙動の分析」、④「現行基準建物のレジリエンス性能の分析」についての研究活動を展開する。
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