研究課題/領域番号 |
22K04408
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
永井 宏 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70413797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 新設杭 / 既存杭 / 埋戻し土 / 砂のダイレイタンシー / 土圧 / 単杭 / 杭の周面抵抗力 / 模型実験 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では,埋戻し土の不確実性として位置,材料,さらに地層構成を因子として,杭の周面抵抗力の性能と抵抗力機構を調べる.載荷実験・数値解析で計測した杭近傍地盤の変状・応力からせん断破壊の形成を判定すると共に,地盤のせん断破壊理論と杭の周面抵抗力とを結びつける.新設杭の周面抵抗力におよぼす埋戻し土の各種因子の影響の解明と,埋戻し土の条件を考慮した杭の周面抵抗力の算定法の構築を目指す.
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研究実績の概要 |
令和4年度は,三軸加圧土槽内で既存杭の撤去・埋戻しの過程を模擬した砂地盤を作製し,埋戻し砂に重複した新設杭の押込み載荷実験を行った.本実験では,杭径に対する埋戻し砂の直径の比を2種類(dbs/d=2, 3),杭との重複度を2種類(R/d=0.5, 0.75)のケースを想定し,埋戻し砂の相対密度(Dr≒30, 90%)を変化させた.杭の載荷実験の結果から得られた知見は以下の通りである.①埋戻し砂が高密度の場合,埋戻し砂の厚さ(杭外周面から埋戻し外周縁までの距離)が大きくなるほど杭の周面抵抗力が増大する.一方,埋戻し砂が低密度の場合には充填砂の厚さの影響が小さく,杭の周面抵抗力度は僅かに減少する.②杭の周面抵抗力度に寄与する水平土圧の大きさと諸因子(直径,重複度)の条件から幾何学的に定まる埋戻し砂の厚さに相関性を見出した.③埋戻し砂の平面的な領域を円周方向に多分割して,充填砂の厚さと杭の押込みに伴う土圧の変化を結び付け,土のせん断破壊理論に基づいて埋戻し砂の諸因子を考慮した杭周面抵抗力度の算定方法を検討した. 上記の実験と並行して,令和5年度の載荷実験で埋戻し土に固化改良した粘性土を用いることを前提に,以下の2ステップに分けて検討した.Step1 ではカオリン粘土に固化材を添加した固化粘性土の作製に最適な手順や調合条件(作業工程,固化材の添加方法,混錬方法)を確立すると共に,所定の養生日数で圧縮試験を実施して固化材添加量と一軸圧縮強度との相関性を見出した.Step2 では柱状の埋戻し土の作製方法(直接打設方式,型枠打設方式)を検討し,出来形・品質・作業性の観点から評価して最適な作製方法を確立した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度では,予定していた計画通りに新設杭の載荷実験が終了した.また,令和5年度の実験に用いる埋戻し粘性土の力学特性の検討も終了した.以上のことから,「おおむね順調」と自己評価した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,埋戻しの材料に粘性土を用いた新設杭の載荷実験を行う.杭近傍地盤の土圧の変化や地盤のせん断破壊の形成に与える影響を明らかにし,先行研究の結果との比較を踏まえて杭の周面抵抗力の評価を検討していく.また,杭の周面抵抗力機構に対する各種因子の複合的な効果にも焦点を当てていく. 一方,有限要素法を用いて新設杭,充填砂および周辺地盤を3次元的にモデリングし,載荷実験のシミュレーションを行う.埋戻し土が近接する新設杭の支持力機構と地盤の塑性化の進展に関して数値解析的に検討を行う.
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