研究課題/領域番号 |
22K04416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
藤田 慎之輔 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (80775958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 最適化 / 機械学習 / 構造形態創生 / 幾何学的非線形解析 / ニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
近年,最適化手法を用いて合理的な建築構造形態を創出する研究が発展しているが,それらの手法は主に静的線形範囲において優良な形態を模索するものであるため,動的非線形挙動との差異が大きい場合には構造形態を抜本的に見直す必要が生じ,設計者に負担を強いることとなる. 本研究では,最適化計算の各ステップの中で更に繰り返し計算が必要となる動的・非線形解析を行う代わりに,動的・非線形挙動の予測モデルを事前に用意して当該計算に代替させることにより計算時間を大幅に短縮し,計算コストの問題から原則として線形・弾性範囲内における力学性状のみしか考慮してこなかった従来の構造形態創生手法を,動的・非線形範囲にまで拡張する.
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研究実績の概要 |
初年度に行った幾何学的非線形応答の予測システムについて,予測精度の改善を試みた。 釣合経路そのものを予測することはなかなか困難ではあるものの,ラチスシェルの非線形座屈耐力については一定の精度で予測可能であることが数値実験から分かったため,当該予測モデルを利用した構造形態創生を試みた。 通常,幾何学的非線形解析を行うことでしか得られない非線形座屈荷重係数を最適化問題の設計変数として考慮することは計算時間の問題から現実的ではないが,本研究のように当該非線形解析を予測モデルによる予測に代替すれば,現実的な計算時間で比較的優良な解形態が得られることが確認された。研究成果は国内外の各学会での発表のほか,査読論文としてとりまとめた。 加えて,これまではあくまであらゆる形状・断面の構造物に対してその応答予測システムを構築し,その予測モデルを用いて形態創生を行うアプローチによって非線形問題を有限時間で扱うことのできる形態創生手法の提案を行ってきたが,最適解そのものを教師データとして機械学習させ,最適化問題の各種制約条件を入力変数とすることで即座に優良解の候補を算出するアプローチも有効であると考え,まずは平面骨組問題に対して前述のアプローチによる予測モデルの実装を行った。まだ予測精度の面で若干の問題が残されてはいるものの,一定の精度で最適解を予測可能であることが確認された。当該研究成果はまだ論文化していないが,次年度以降も継続して研究を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の最終目標の一つであった,3次元空間構造物の非線形挙動を機械学習により予測し,最適化手法の中に同予測モデルを組みこんだ形態創生を行うという研究は一定の成果を上げることができ,査読論文としてとりまとることができている。加えて,最適解そのものを教師データとして機械学習させ,最適化問題の各種制約条件を入力変数とすることで即座に優良解の候補を算出するという別のアプローチからの研究にも着手しており,一定の成果が得られつつある。動的問題に対しては2次元構造物に対する予測モデルの作成しか行っていないが,研究全体としては概ね順調に成果を上げられていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最適解そのものを教師データとして機械学習させ,最適化問題の各種制約条件を入力変数とすることで即座に優良解の候補を算出するというアプローチによる研究を引き続き発展させる。また,研究成果は査読付き論文として社会に公開をしているが,自身の実務経験を活かし,論文化するだけではなく,第3者が利用可能なソフトウェアとして実装することを試みる。具体的には,研究代表者が開発を続けているOpenSees for Grasshopperに当該機能を実装し,非線形解析も扱えるようにGUI含めて整える。成果物はGitHubを通じて全世界に公開する。
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