研究課題/領域番号 |
22K04425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
関口 徹 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50451753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 環境振動 / 交通振動 / 地盤 |
研究開始時の研究の概要 |
交通振動による苦情の原因となる地盤の振動伝搬メカニズムを明らかにし,交通振動の振動数特性や複雑な地盤の層構造を考慮できるより精度の高い予測が可能で,かつ簡易で実用的な手法を構築し実用化させることが目的である。 研究方法としては,様々な地形・構造の実際の地盤において振動を計測し,シミュレーション解析を行うことで苦情が発生するような地盤の交通振動伝搬メカニズムと提案手法の有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
交通振動による苦情の原因となる地盤の振動伝搬メカニズムを明らかにし,交通振動の振動数特性や複雑な地盤の層構造を考慮できるより精度の高い予測が可能で,かつ簡易で実用的な手法を構築し実用化させることが目的である。 大型車(総重量20tのダンプトラック)を試験走行する実験に参加し,計測結果により周辺地盤の振動特性について検討した。走行車線に沿って地下に共同溝があり,それによって10Hz以上の高い振動数での低減があることが,反対側での共同溝の無い計測点との比較で分かった。共同溝は剛性の低いローム層および粘性土層とほぼ同じ深度に存在し,それらの層を伝搬する振動を遮断する効果があると考えられ,その結果その地盤の固有振動数の2倍の振動数より高い振動数で低減したと説明できる。 共同溝をモデル化した数値シミュレーション解析において同様の傾向が確認され,さらに共同溝のサイズを変化させて検討した結果,共同溝の高さはあまり低減に影響しないが,幅が大きく影響することが分かった。また,鉛直加振が卓越する平面道路での実験であったこともあり,水平加振により発生するであろう道路平行方向の水平動を共同溝により低減する効果はあまり期待できないことが分かった。 道路交通により周辺の住宅の振動を評価する際に影響する建物と地盤の動的相互作用について,解析的に検討した。ミニ戸建と呼ばれる建築面積が小さく間口が狭い3階建ての住宅では,高さと幅の比(アスペクト比)が大きいため振動の際に基礎のロッキング現象の発生が予想される。動的相互作用を考慮しない基礎固定条件での解析と比較し,ロッキング現象を考慮した解析では振動数特性が変化し応答が大きくなることがあることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな現場計測とシミュレーション解析を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
地盤振動伝搬メカニズムが明らかになってきたことから,現場の状況をより詳細に検討するため,アスファルトによる振動応答の抑制効果について検討する。建物応答を評価する際に影響する建物と地盤の動的相互作用についてそのメカニズムを明らかにする。
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