研究課題/領域番号 |
22K04428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
仁井 大策 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50414967)
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研究分担者 |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 教授 (90198911)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光束伝達 / 煙層 / 散乱 / 床面照度 / 煙流動予測 / 光学的煙濃度分布 / 光束伝達モデル / 視環境評価 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の行動特性を鑑みると、火災時には視覚情報が大きく影響する。これら視覚情報は、本来、煙流動性状に応じて変化するものであるが、煙流動性状に応じて変化する視環境の定量的予測手法は確立されておらず、現状の避難行動予測は、煙が避難に影響しない理想的な環境下という前提の下でしか成立しない。本研究では、煙流動性状の精緻化を図るプログラム開発を行うとともに、その結果を用いて視環境予測を行うことを目的としており、本研究の成果は火災時の避難経路選択や避難歩行速度の変化の把握に利活用できるものと期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度は,2022度の成果である地下街等の廊下状空間を流れる煙性状に基づき,煙層形成下での光環境の測定を行い,天井光源からの光束の散乱,重畳を確認するとともに,散乱を考慮した簡易な光束伝達モデルの構築を試みた。 1)散乱による光束伝達の測定 天井光源を設けた模型内に白色に着色した熱気流を流入させて煙層を模擬し,床面照度分布を測定することで,散乱による光束伝達性状を把握した。また,光源を複数設けた照度分布の測定も行い,単独光源との結果の比較から,散乱光束分布を推定した。床面照度は煙層を透過する直接照度と散乱や壁面反射による間接照度の和であるが,実験では、直接光束と間接光束を分離して測定できないため、既往の煙層内での光散乱を考慮した照度の簡易計算法(以下、既往予測法)を用いて、床面に入射する間接照度の推定を試みた。その結果,明らかに光学的煙濃度が高くなるにつれて間接照度推定値が大きくなり,また,間接照度は光源直下付近に集中した分布となっていることが見て取れた。既往予測法では天井全般照明を対象としていることから煙層境界面から発散する散乱光束は場所によらず一様と仮定しているが,煙層内での散乱を考慮した個別光源の光束伝達を検討する際には,散乱光束の分布を考慮する必要があると言える。 2)散乱を考慮した簡易な光束伝達モデル 初期の火災避難時は比較的煙濃度が低いことを踏まえて,煙粒子に1回だけ衝突した光束により床面に形成される間接照度分布の予測モデルを提案した。煙粒子に衝突した際は均等拡散するものと仮定することで,間接光束による床面照度分布を再現でき,実験と比較して煙濃度が低い場合は概ね良い一致を示すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模型実験により基礎的な光束伝達性状を確認できたとともに,床面照度分布を簡易予測可能なモデルを作成した。本研究課題の最終目標である複数光源からの散乱光束が視対象光源の輝度対比低下に及ぼす影響についても定量的に分析できるデータを得ており,進捗としては概ね順調であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,光束伝達の数値解析モデルの作成とその結果から導かれる視対象光源の輝度対比の分析を行う予定である。この数値解析モデルでは,周壁面の反射率や煙層の鉛直方向の濃度分布を反映した光束伝達の予測を行うものであり,今年度提案した簡易計算法の適用範囲を明らかにするとともに,周壁の状態と視対象光源の輝度対比についての検討が可能となる。 また,最終年度であるため,国内の学会発表以外にも韓国で開催されるAsia Oceania Symposium on Fire Safety and Technologyでのプレゼンテーションや学術雑誌への投稿を進め,幅広い成果の周知にも努める予定である。
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