研究課題/領域番号 |
22K04435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
小林 茂雄 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 教授 (20262313)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 避難照明 / 広域災害 / 空間認知 / 地形 / 低照度 / 水害 / 停電 |
研究開始時の研究の概要 |
夜間災害発生時には、路面の状態が危険になるばかりか広域で停電になる可能性もある。しかし屋外の非常用照明の基準はなく、その計画の指針も示されていない。迅速な避難を誘導するためには、個別の場所や街路ごとに必要な照度基準を設けるのではなく、敷地や区域を越えて、広域的な最適解を検討する必要がある。本研究は、避難経路となる道路上だけでなく、周囲への見通しとの関係を把握し、地形を考慮しながら、最小限の光の配置と照度・輝度レベルを求めることに特徴を持つ。
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研究実績の概要 |
夜間に津波や洪水、土砂崩れ、噴火などの災害が発生すれば、建物の外に出た後にも長い距離を移動して避難しなければならない。歩行距離のある避難の際には、その広域の状況がある程度把握できていることが必要である。ただし屋外の全てのエリアを明るく照明することはできない。そこで避難経路の照明を最小限に抑えながら、周囲との明暗対比を緩和し、ポイントとなる場所に光を配置することが有効である。具体的には、避難経路となる道路上だけでなく周囲の建物との関係を把握し、空間認知に寄与する要素を整理し、地形や過去の災害に耐えて残っている景観要素など地域の地理的特性を考慮しながら、光の配置と照度・輝度レベルの下限値を求める。 2023年度は、歴史ある観光地であり、南海トラフ地震の津波による大被害が予想されている静岡県下田市の中心市街地を対象として、災害時に備えた空間認識・高台避難を促す光環境の提案と照明社会実験を一か月にかけて行った。下田市中心街は四方に山があるものの、昼間でも近い避難場所や正しい避難方向が把握できにくい状況だった。また、夜間の市街地では全体的に明暗対比の差は大きく、避難の位置・方向・経路を把握するには困難な状況であった。こうした空間認識調査に基づいて小型の照明を適切に配置する実験を行った。その結果、下田らしい景観が向上されるだけでなく、高台入口や交差点の認識など迅速な避難の向上に寄与することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
静岡県下田市での避難方向認識調査と避難照明実験が順調に進行している。さらに茨城県大洗町での照明実験にも着手している。
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今後の研究の推進方策 |
津波の被害があり、今後の災害発生が懸念されている茨城県大洗町で調査と実験を行う。
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