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東日本大震災からの復興まちづくりの体系的評価から捉える事前復興の計画論

研究課題

研究課題/領域番号 22K04449
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分23030:建築計画および都市計画関連
研究機関三重大学 (2023)
岩手大学 (2022)

研究代表者

三宅 諭  三重大学, 工学研究科, 教授 (60308260)

研究分担者 佐久間 康富  和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30367023)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード東日本大震災 / 復興検証 / 事前復興計画 / プロセス / 計画論 / 東日本震災 / 復興まちづくり / 事前復興 / 地域計画 / 社会・空間計画
研究開始時の研究の概要

東日本大震災から10年が経過し、今回の復興について検証の取り組みが求められている。本研究は、今後の都市・地域計画の重要テーマとなる事前復興への知見を得るために、東日本大震災の復興について①復興計画の課題、②長期化により生じる課題と対応方策、③コミュニティ形成とその変化、の3点を体系的に評価し、④事前復興の取り組み、⑤海外における災害対策を踏まえて、⑥社会・空間計画の視座と方策(事前復興の計画論)を提示することを目的とする。

研究実績の概要

東日本大震災からの復興検証については岩手県沿岸自治体に対して復興を振り返るヒアリング調査を行い、事前想定に求められることの整理を行った。多くの自治体から瓦礫置き場や仮設住宅用地を事前に想定しておくことの重要性が指摘された。災害発生後に様々な事務処理を同時並行で進める必要が有り、可能であれば公有地を確保しておくことで用地確保のプロセスを簡略でき、町の変化を見せることで被災者も復興の進捗を確認できるので心理的に落ち着けること、計画策定に早期着手できることが明らかになった。また、大規模災害では人員不足になるため、平時から人事交流を行ったり、応援職員の泊まれる場所を確保することが指摘された。つまり、発災後に応援職員の受入体制を整えるのではなく、平時から交流を進めることの重要性が明らかになった。
事前復興計画については、既に事前復興計画を策定した和歌山県のみなべ町、太地町、那智勝浦町を事例に計画策定プロセスに関するヒアリングおよび現地調査を行った。みなべ町では住民参加によるボトムアップ形式で計画を策定したこともあり、地区毎の具体的内容が示されている。一方、太地町と那智勝浦町は都市計画マスタープランとの整合性を念頭に行政が主導する方式で計画を策定している。地区別の具体的計画よりは町全体としての将来イメージが明確となっている。3町とも和歌山県による事前復興計画策定の支援補助が契機となっており、基礎自治体も事前復興計画の必要性を認識していること、支援があることで進展することが明らかになった。また、計画策定のプロセスについては市町の特性に応じて対応できることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者の三宅が岩手大学から三重大学へ異動したこと、岩手県への移動に日数と時間を要することから岩手県の復興に関する検証が少し遅れている。
しかし、和歌山県を事例とした事前復興計画の資料収集およびヒアリング調査が進んでいること、三重県内の事前復興に向けた取り組みに関する調査に着手できたことを考えると、概ね順調に進んでいる。特に年度後半は調査研究の時間を確保でき、上述のように先行できることを先行させた。
また、岩手県内自治体への予備調査を行い、事前復興に求められる多様な項目の中でも復興経験者が真っ先にあげた項目を整理することができた。今年度はそれを元に調査を進められるのでおおむね順調に進んでいると判断する。

今後の研究の推進方策

岩手県では2023年度に陸前高田市、釜石市、大槌町、山田町で行ったヒアリング調査をもとに、発災から復興事業完了までの節目とそこでの課題を整理する。その上で再度沿岸市町村へヒアリング調査を行い、事前復興計画に求められる項目を明らかにする。また、みなべ町、太地町、那智勝浦町の事前復興計画を参考に意見交換を行う。加えて、事前復興の取り組みの遅れている三重県沿岸の地図・写真を見ながら体験者の視点から予想される被災と課題を予測する。
和歌山県では、事前復興計画の内容を比較分析し、プロセスによる違いの有無を明らかにする。また長期的視点で都市構造の変化を実現しなければならない地区も多く、事前復興計画で取り組むべき方策を明らかにする。
三重県では、県南部の自治体を事例に防災対策から事前復興計画へ進展するための課題、県と市町の協力体制のあり方を明らかにする。さらに津、伊勢、四日市などの都市部では被災後の仮設住宅用地や土地利用変化について予測検討を行い、被災後の都市構造への影響を明らかにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 地方都市のまちなかにおける回遊行動の特徴と来街手段との関係2023

    • 著者名/発表者名
      城本 絢未・佐久間 康富
    • 雑誌名

      都市計画報告集

      巻: 21 号: 4 ページ: 516-523

    • DOI

      10.11361/reportscpij.21.4_516

    • ISSN
      2436-4460
    • 年月日
      2023-03-10
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Challenges and Issues of Pre-disaster Recovery Planning -Copmarison of Two Approach based on Community Planning and Municipality Master Planning2023

    • 著者名/発表者名
      Asuka Hiranishi, Satoshi Miyake, Yasutomi Sakuma
    • 学会等名
      Urban Planning and Architectural Design for Sustainable Development (UPADSD)-8th Edition
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 泉北ニュータウンにおける戸建住宅地の更新状況と人口・世帯数の変化の関係に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      仲 祐一郎・佐久間 康富
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演梗概集
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 復興を描く2023

    • 著者名/発表者名
      三宅諭、貝島桃代、佐藤慎司、内藤廣、高口洋人、宮原真美子、長澤夏子(「第1章座談会 建築と土木の復興」担当)
    • 総ページ数
      229
    • 出版者
      土木学会
    • ISBN
      9784810610567
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 少人数で生き抜く地域をつくる -次世代に住み継がれるしくみ2023

    • 著者名/発表者名
      佐久間康富・柴田祐・内平隆之編著、青木佳子・岡田知子・柴田加奈子・清野隆・田口太郎・竹内ひとみ・野村理恵・姫野由香・藤原ひとみ・八木健太郎・山崎義人
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      学芸出版社
    • ISBN
      4761528508
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 広域と農山漁村の計画(澤木昌典, 嘉名光市編著 『図説都市計画』)2022

    • 著者名/発表者名
      佐久間康富
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      学芸出版社
    • ISBN
      476152832X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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