研究課題/領域番号 |
22K04455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒瀬 武史 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50598597)
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研究分担者 |
寺田 徹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00619934)
矢吹 剣一 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10837090)
藤井 康幸 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20630536)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 人口減少都市 / アーバンデザイン / 米国 / ラストベルト / 空き地 / 空き家 / 都市デザイン / 空き不動産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、成長や開発を前提としない人口減少都市のアーバンデザイン手法を体系化する。なかでも、荒廃を防ぎ市街地を安定させる空き不動産(空き家・空き地)の選択的再生の実態と活用戦略に着目し、広範囲に散在する空き不動産に対する介入手法を明らかにする。人口減少が著しい米国の都市を対象に、人口減少の進む住宅地区・工場跡地が集積するブラウンフィールド・医療機関や大学等が立地する雇用集積地区の3地区のアーバンデザイン手法と、都市全体のアーバンデザイン戦略を分析の対象とする。また、国内の類似都市・地区の実態分析も同時に行い、上述のアーバンデザイン手法の日本での適用可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、成長や開発を前提としない人口減少都市のアーバンデザイン手法を体系化することを目的とする。なかでも、荒廃を防ぎ市街地を安定させる空き不動産の選択的再生の実態と活用戦略に着目し、広範囲に散在する空き不動産に対する介入手法を分析することを目標としている。 2023年度は、ミシガン州デトロイト市の都市デザイン戦略について、詳細の分析を進めた。同市のなかでも、Corktown地区・Delray地区・Campau/Bangratown地区の戦略をその対象とした。 Corktown地区は、都心部の西側に隣接しており、中心部から放射状に伸びるMichigan Ave.沿道に商業地とデトロイト中央駅が位置しており、高速道路を挟んで北側のNorth Corktown地区には空き家・空き地が集中している状況にある。デトロイト中央駅も1988年に駅としての利用が停止し、廃墟となっていたが、2018年に自動車会社のフォード社が駅舎を購入し、自動運転や電気自動車の研究施設として再利用することとなり、市の都市計画部局も協力して地区の都市デザイン戦略が策定された。大規模な跡地と人口減少の進む住宅地の組み合わせ事例として分析を進めている。 Delray地区は、米国とカナダをつなぐ新たな橋の米国側の入口となる地区であり、大規模なインフラ整備とあわせて、空き家・空き地の再開発が検討されている。衰退した住宅地を工業や物流用に転用するための法整備や住民との合意形成について特に注目して分析を行っている。 Campau/Bangratown地区では、近隣住民による空き地の不法利用の合法化や自治体がランドバンクを通して保有する空き地を活用した、土地所有の再編と緑道等の整備を新たな都市デザイン戦略として注目して分析している。現地調査により計画立案から一部インフラについては実践のフェーズに入りつつあることを確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、自治体ヒアリングも含め、想定していた詳細な事例分析を進めることができた。人口減少都市におけるアーバンデザインの効果について2024年度にとりまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した調査に基づき、デトロイト市の地区スケールの再生の取り組みに活用されているアーバンデザイン方策の研究を深度化し、日本への適用可能性についても含めて検討し、学会等でその成果を公表することを目的とする。
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