研究課題/領域番号 |
22K04459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
谷本 裕香子 東北工業大学, ライフデザイン学部, 講師 (80732776)
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研究分担者 |
高木 理恵 東北工業大学, ライフデザイン学部, 准教授 (30466536)
石井 敏 東北工業大学, 建築学部, 教授 (90337197)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 建築計画 / 環境工学 / 協働 / 高齢者施設 / 感染症 / シミュレーション / 職員行動 / 空気環境 / Covid-19 / 設備計画 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症の流行の際には、高齢者等、感染が致命傷となり得る入居者の生活する高齢者施設においての対策は必須である。しかし、感染症対策は各々の施設における経験則によるものが多く、対策は確立していない。 本研究では、現在広く普及している平面タイプのユニットケア施設を対象に、3次元熱流体解析による気流解析、CO2濃度の計測、入居者および職員の動作分析を行い、建築・設備計画が協働で高齢者施設における感染リスクを低減する建築計画の提案を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究においては、高齢者施設におけるCO2濃度の計測および、職員、入居者の行動観察調査を行い、人のどのような行動が空気環境に影響を与えるのか明らかにするとともに、職員行動の指針を提示することを目的としている。 前年度、収集した高齢者施設におけるCO2濃度のデータ分析を進めたところ、CO2濃度が低かった理由に、建物(換気設備)の新しさが関連する可能性が見えたため、同法人の古い施設においてもCO2濃度の実測を進めた。2 つの高齢者施設の実測結果を比較した結果、断熱性能や窓面積の違い、換気設備や室容積の違いにより、温熱空気環境の差が生じていることが伺えた。 また、月に1回の研究チームによる打ち合わせを進めていくうちに、建築計画と環境工学の協働による成果物を出すためのフローをチーム内で共有、明確化することができた。成果物を出す手順としては、2系統に分けた。研究1として、シミュレーションによりSVE3やSVE6を算出し、研究チーム全員で学際的な議論をし、より空気環境の良好な平面計画を提案する方針を決定する。その後の成果物としては、シミュレーションにより改善前と改善後の違いが分かる動画を作成する。現在のところ、シミュレーションの作成と3Dモデルの作成に着手している。 研究2として、建築計画と環境工学の研究結果を統合する手法を模索する方針を決定し、CO2濃度の数値のカテゴライズや、行動観察データの文脈の読み取りなどを進めている。健康科学、教育、工学、社会学、語学、コミュニケーション学他で試みられている混合研究法の方法論を参考に、環境工学のデータを用いたり、議論を重ねることで建築計画分野のみでは見えなかった結果を明らかにする作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍に対象施設の感染状況に配慮し、多少調査日を遅らせる等の対応をした。このことにより研究計画全体に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究スケジュールは当初の予定から多少遅れているが、2024年度で計画を完了できるように進めていく。 今後の進め方としては、昨年度進めた議論により、おおよその方向性が見えておりデータは全て取得済みであることから、今年度はさらなるデータ分析と、論文の執筆、学会発表を行っていきたい。 5月に行われる学会にて、建築計画の研究者による学会発表を行う。また6月には環境工学の研究者による学会発表を行う。 今年度中に、建築計画と環境工学の協働により得られた結果を論文として投稿したいと考えている。
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