研究課題/領域番号 |
22K04464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
榊 愛 (石川愛) 摂南大学, 理工学部, 准教授 (60581311)
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研究分担者 |
石川 敦雄 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40416582)
樋口 祥明 摂南大学, 理工学部, 教授 (70470317)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歩行 / Walkability / 空間メンタルモデル / 内発的動機づけ / ミクロ・マクロ環境 / 景観構成要素 / クラスタ分析 / オノマトペ / 歩きたくなるまちづくり / 空間メ ンタルモデル / 物理的環境要因 / 社会的要因 / 行動変容 |
研究開始時の研究の概要 |
「歩行」は最も基本的な移動手段であり,身体活動レベルや地域愛着の向上にもつながっている.これまで,Walkability Indexなど「歩きやすさ」に着目した研究が行われてきたが,「歩きやすい」だけでは,多様な住民の「歩きたい」につながらないこともある. そこで本研究では,住民一人ひとりが「歩きたくなる」近隣環境の実現に向けて,空間メンタルモデル,近隣に蓄積された物理的なミクロ・マクロ環境,そして地域住民の社会要因(生活習慣行動や地域愛着など)の相互作用やシナジー効果に関する影響過程の仮説モデルを明らかにし,住民の「歩きたい」を喚起するための近隣環境可視化手法を検討する.
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研究実績の概要 |
居住者が「歩きたくなる」近隣環境の実現を目指し、仮説モデルの構築と検証を中心として実施した。主な実績4点を示す。 (1)居住者が「歩きたくなる」心的過程に関するモデルとして、先行研究をもとに空間メンタルモデルを仮構築した。具体的には「歩きたくなる」内発的動機付けを【好奇心】【挑戦】【統制】【空想】の4種類と設定した。そして、これらに影響する「道」に関するミクロ・マクロ環境要因として22種類を設定した。 (2)空間メンタルモデルの仮説検証と精緻化を目的として、3大都市圏居住者(502名)を対象にオンライン質問紙調査を実施した。クラスタ分析の結果、「道」に関する環境要因に対して反応性が【低いクラスタ】【高いクラスタ】に分かれた。また、クラスタによって環境要因の認知や反応する内発的動機付けなどに差異があることから、人の多様性を考慮する重要性を明らかにした。 (3)空間メンタルモデルの仮説検証を目的として、子ども(16名)を対象として自由散策実験を実施した。その結果、60個の歩きたくなるミクロ・マクロ環境要因が抽出された。そのうち8割が【好奇心】と【空想】の内発的動機付けにつながる環境要因であったことから、この2つの動機付けが歩行促進に影響を与えたと言える。また、環境要因をオノマトペで表記した地図を提示することで自由散策の範囲が広がったことから、オノマトペによる情報提示が歩行促進につながる可能性が示唆された。 (4)ミクロ環境要因を簡易に抽出する手法を検討するために、景観写真から長方形で要因抽出して面積評価する簡易な手法を試みた。その結果、本手法で特徴を把握できることを確認した。また、景観の構成要因と心理評価のWebアンケート調査を実施した。その結果、夜間の発光要因では小面積の発光要素が「印象で良」と評価されることもあることから、ミクロ要因が歩行促進につながる可能性を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に計画していた実施内容をおおむね実施できたため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、構築した空間メンタルモデルの仮説検証を次年度も引き続き実施する。 そして、空間メンタルモデルをもとに、「歩きたくなる」近隣環境の可視化手法を検討する。
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