研究課題/領域番号 |
22K04472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金多 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (10301243)
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研究分担者 |
西野 佐弥香 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00611336)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 建築生産 / 建築施工 / 生産管理 / 建設労働 / 作業分析 |
研究開始時の研究の概要 |
技能労働者不足の代替手段として、施工ロボットが開発されている。 しかし、施工ロボットと作業者の協調作業については、作業者の動作データに基づく基礎 的検討が不足しており、協調作業ができていない状況にある。 本研究の目的は、作業者の詳細な動作データを解析し、作業者の直近移動範囲を避けるよ うに施工ロボットが移動するときの作業者と施工ロボットの動きを可視化し、干渉の解決を 図る方法を示すことである。
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研究実績の概要 |
人と機械・ロボットが混在する建設現場において、安全を確保しながら生産性向上をはかるには、人が担っている一連の作業への正確な理解が急務である。これまでの作業分析では、観察者の目視と録画による主観的な分析が行われてきた。しかし、センサー技術やデータ記録技術など測定・分析技術の向上により、客観的で定量的な把握が期待できるようになった。作業者の詳細な動作データをもとにして、作業者と施工ロボット等の動きを可視化し、干渉の解決を図る方法を示すことが本研究全体の目的である。今年度は、実際の建築工事現場の特定工種を対象として、作業者の詳細な動作データを調査し、解析することを研究の目的とした。 一般に、作業者の正確な動作データの収集は簡単ではない。しかし、本研究では、建設会社2社の協力を得て、実際の建築工事現場2件(大規模病院と中規模ホテル)を調査対象として設定した。また、対象となる工種は、それぞれ仮設解体に関わる鳶工事と内装工事のうち軽量鉄骨下地の組立てと石こうボード取り付けであった。これらに関わる動作データを、作業者への加速度センサーの装着と動画撮影によって取得した。また、建設機械メーカーの協力を得て、作業者が使用する電動工具の稼働状況を工具内で記録して解析の対象とした。これにより、技能労働者の作業について定量的な知見を得ようとしている。電動工具のメーカーは作業者の動作を推定して工具を開発しているものの、必ずしも建設作業の実態との検証が行われていないことに鑑み、作業者へのヒアリング調査も実施し、電動工具の使用に関する意見を聴取した。 以上のように、今年度はフィールドでの調査を実施することはできたものの、感染症等の影響により、研究計画にやや遅延を生じており、研究成果については年度内に公表できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症の影響により、テレワークやオンライン会議が主体となり、対面での研究打合せができなかった。フィールド調査は対面で実施するので、研究計画にも遅延を生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査結果を踏まえて、あらためて『作業能率測定指針』や関連する既往研究との比較検討を行い、本研究の位置づけを確認する。 調査協力者と連携して、引き続き作業者の動作データを整理する。 作業者の動作は、電動工具や新たな工法開発などによって変化しており、建築施工歩掛の向上として時代による変遷をたどったのではないか、との仮説をもった。この仮説についても検証してみたい。
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